ハイアット、需要の回復順調−新ブランド「アンダーズ」も日本で攻勢

  • 2010年8月2日
 ハイアット・ホテルズ・アンド・リゾーツは7月28日から30日にかけて、東京と大阪で「ハイアット・フェア2010」を開催した。世界中のグループホテルから約50名が来日して旅行業界関係者と商談を実施。30日に開催したレセプションで、同社営業担当副社長のルイス・キヴェット氏は、「全体的な傾向として、需要は回復してきている」とし、特に業務渡航での利用が好調と説明。レジャーや団体も、業務渡航の伸びには及ばないものの、見通しは明るいという。

 特に今年は、新ブランド「アンダーズ」が初めてフェアに参加。同ブランドは5ツ星のサービスやラグジュアリーさとカジュアルさの両立をねらうもの。アンダーズ・ウォールストリート・ニューヨーク総支配人のトニー・ヒンターシュトイサー氏によると、「ベルやコンシェルジェといった役割を廃し、“ホスト”と呼ぶスタッフが、旅館の仲居さんのように1人ですべてを担当する」ことや、「アメリカのホームパーティーのような形式でミーティングやイベントができる、シェフ付きのミーティングルーム」など、ユニークなサービスを提供している。

 ヒンターシュトイサー氏は、旅行会社からの反応について「ポジティブだった」とし、「サービスは日本人好みであり、業務渡航、パッケージなどの需要を取り込んでいきたい」と今後に意欲を示した。そのために、日本人宿泊客を迎える心構えなどについてトレーニングを開始したほか、今後日本語を話すスタッフも雇用したい考えという。

 なお、キヴェット氏は「日本市場では信頼関係が最も重要」との考えで、引き続き旅行業界との関係強化に取り組む方針を強調。レセプションでは、デルタ航空(DL)日本地区営業本部長の伊藤正彰氏が乾杯の挨拶に立ち、他市場の成長にともなって日本市場の存在感縮小が懸念される中で、今年もハイアット・フェアが開催されたことに謝意を表明。その上で、「(旅行業界全体で)共に伸びていけるよう努力していきたい」と語った。