成田、09年度決算は純利益を前年並みに維持−11年は容量拡大の増収見込む

  • 2010年5月12日
 成田国際空港によると2010年3月期連結決算(2009年4月1日〜2010年3月31日)の営業収益は前年比5.1%減の1798億円、営業利益は9.0%減の213億円、経常利益は11.6%減の125億円、当期純損益は1.6%増となる60億円の黒字となった。

 空港運営事業では、航空会社の減便や機材小型化などに加え、国際線着陸料を引き下げたことで空港使用料収入が減少。また、リテール事業も上期の航空旅客数が減少したことや円高、景気後退による消費マインドの落ち込みにより物販飲食収入やテナントの営業料収入が減少したため、営業収益は前年から96億円の減収となった。当期純利益は、除却損などの特別損失が前年と比べて大幅に減少したことから増益となった。新型インフルエンザの影響を見込み、2009年11月の業績予想発表では当期純利益を30億円と予想していたが、下期の航空取扱量が回復したことや経費削減に努めたことが奏功し、予想を30億円上回っている。

 なお、2011年3月期営業収益は前年比3.6%増の1863億円、営業利益は20.0%増の256億円、経常利益は30.9%増の164億円、純利益は33.8%増の81億円となる増収増益と予想する。これは、3月28日の空港容量拡大にともなう発着回数の増加による増収や、運営経費のコスト削減強化による営業利益増益を見込んでいる。