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南アフリカ、見本市「インダバ」開幕−W杯目前、準備万全をアピール

  • 2010年5月11日
(ダーバン発 特派:安井久美) 南アフリカ共和国のクワズールナタール州で5月8日、アフリカ大陸最大の旅行見本市「インダバ(INDABA)2010」が開幕した。現地の宿泊施設やツアーオペレーターなど1500社以上が出展しているほか、今回はワールドカップ南アフリカ大会(W杯)直前ということもあり全世界から700名のメディアが参加。日本からもメディアを含め18名が参加した。

 今年の注目は世界中から約3万5000人が訪れるとされるW杯。インダバ開会式で南アフリカ共和国大統領のジェイコブ・ズマ氏は、道路や公共交通機関の整備、スタジアムの建設、空港の改装、スタッフの教育など受け入れ準備は「万全」と力強く語った。また、FIFA事務局長のジェローム・ヴァルッケ氏や南アフリカ観光局CEOのサンディウェ・ジャニュアリーマクリーン氏も登壇し、W杯で使用される10ヶ所のスタジアムの点灯式もあわせて実施した。 

 また、“W杯後”も焦点の一つ。W杯閉幕後の旅行需要を懸念する声もあるが、南アフリカの旅行業界関係者は一様に前向きだ。W杯で整備、充実したヒトやモノを活用することで今後も南アフリカのイメージアップや観光の魅力をアピールできるだろうと関係者は口をそろえる。南アフリカ空港会社の最高経営責任者のモンハラ・ハララ氏は「W杯に向けて整備された道路や新たに建設された空港、スタジアムは発展途上国である南アフリカには必要なものばかり。W杯以後に観光を含めた産業の発展に一役買うだろう」とした。

 また、南アフリカの観光にあたり懸念材料のひとつである治安については2004年以後5万5000人の警察官が採用され、日本やドイツなど海外の警察から協力を得て訓練中だ。南アフリカ観光局アジア大洋州代表のブラッドリー・ブラウワー氏は、「警察官を随所に配備し『見える化』を図ることで犯罪率自体も4ヶ月連続で減少傾向にあり、観光客にも安心感を与えている。W杯以後も治安対策の取り組みは継続される予定」と話しており、治安についてもW杯を機に改善されていく見通しを強調した。

 ブラウワー氏はこのほか、「日本代表の応援に駆けつけたファンの口コミやテレビでの露出を通じて南アフリカの魅力をより多くの日本人に伝えていきたい」考えを説明。一方、日本人訪問者数の目標として掲げる年間3万5千人の達成に向けてW杯以後も見すえており、定番ルート以外の観光素材の提案やリピーターの増加をねらうという。