観光活性化フォーラム
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W杯手配のツール・アフリカ、連絡不通に−人数不明、JATAなど注意喚起

  • 2010年5月1日
 インターネット上で、ワールドカップ南アフリカ大会の観戦にあわせた宿泊プランや送迎で旅行者を募っていた「ツール・アフリカ」と連絡がとれない状況が続いている。同社ウェブサイトによると、2009年6月に「現地開催日本応援キャンプ」と題した現地宿泊プランの募集を開始。2010年2月からは2次募集、3月25日からは3次募集をはじめていたようだが、4月に入ってから連絡が途絶えているという。サイト上に掲載された連絡先は4月30日現在、日本国内、現地ともに不通で、ブログの更新も3月20日を最後に止まっている。

 影響を受けている人数については、インターネット上では数百名単位とする情報もあるが、正確な数は不明。日本旅行業協会(JATA)によると、消費者からの問い合わせは4月23日前後から30日18時までで4件にとどまっているという。また、アフリカを取り扱うある旅行会社によると、「日本応援キャンプ」を申し込んだ人で航空券のみを予約していた人から、現地宿泊ができなくなったため航空券をキャンセルすると4月30日に連絡が入ったという。

 また、現地オペレーターによると、すでに3週間ほど前にダーバンの現地事務所は閉鎖されており、連絡がとれていない。ツール・アフリカが実際の手配を依頼するとされていたズール・スカイ担当者は「そうした事実は一切ない」と語り、事態の解決にむけて在アフリカ日本国大使館との情報共有を進めていると説明した。このほか、日本国内のオペレーターも「少し前からおかしいとは聞いていた」とし、「ウェブサイト上の現地連絡先も携帯電話。(最初から)計画していた可能性もある」とコメントした。

 なお、観光庁によると、ツール・アフリカは日本での旅行業1種の登録はしていない。2種、3種に関しては、4月30日時点で確認されていないものの、最終確認を全都道府県で進めているところ。ゴールデンウィーク(GW)明けにもわかる予定で、旅行業登録がなく日本で旅行取引していたことが判明した場合には、旅行業法上の無登録営業にあたるため捜査当局にゆだねることになる。観光庁、JATA、全国旅行業協会(ANTA)は4月30日夜、各ウェブサイトのトップページ上に文書を掲載し、消費者の注意を喚起している。