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バンコクの渡航情報引き上げ、情勢緊迫化で−ツアー催行の判断は分かれる

  • 2010年4月26日
 外務省は4月23日深夜、タイの渡航情報のうちバンコクを「十分注意してください」から「渡航の是非を検討してください」に引き上げた。バンコクでは、タクシン元首相派の団体(UDD)によるデモ活動が長期化する中で日本人ジャーナリストが死亡し、さらに4月22日には爆弾によって1名の死者と70人以上の負傷者が出るなど情勢が緊迫化。バンコクは日本人旅行者だけでなく日系企業の赴任者も多く、影響が大きいことから外務省では渡航情報の引き上げに慎重な姿勢であったが、緊迫化を受けて引き上げを決めたようだ。

 渡航情報引き上げを受けた旅行会社の対応は分かれている。ウェブサイト上で対応を案内している会社のうち、ジェイティービー(JTB)は27日、ジャルパックは28日、ANAセールスは26日までの出発分について、バンコクの宿泊が入ったツアーの催行を中止。ANAセールスでは、30日出発分までのツアーで取消料を徴収しないことも決めている。

 一方、エイチ・アイ・エス(HIS)と近畿日本ツーリスト(KNT)は催行を決定。KNTでは、混乱が限定された地域であること、王宮やワットポーなどの観光が通常通り実施できていること、航空機が運航されていることを理由としてあげている。取消料については、HISが27日出発分まで免除。KNTは、5月26日までの出発分について、3ヶ月以内に出発する全方面のホリデイ商品いずれかに再予約、参加する場合に限って取消料を徴収しないとしている。

 航空会社では、日本航空(JL)、全日空(NH)、タイ国際航空(TG)が通常通り便を運航しているものの、それぞれ払い戻し、取り消しの手数料を免除。4月24日までの購入分について、JLとTGは4月27日までの出発で、NHは4月30日まで手数料を徴収しない方針だ。

 なお、在タイ日本国大使館によると、現地時間4月25日11時30分現在、UDDはラチャプラソン交差点からシーロム交差点を中心とする地域を集会によって占拠。政府当局はこの排除に向けた措置を取ることを協調し、周辺の治安要員を増員している。また、UDDもこれに対して警戒を強め、バリケードやバリケードでの検問を強化しており、緊張が高まっているという。

 交通機関では、BTSがナショナル・スタジアム駅からサラディーン駅までの区間を運行停止としており、営業時間も19時までに短縮。地下鉄(MRT)はシーロム駅に停車しないものの、全線で運行されているという。