関空、10年度の国際線発着回数2000回増へ−事業計画策定、旅客数は1.6%減

  • 2010年4月23日
 関西国際空港はこのほど2010年度事業計画を策定した。総旅客数は前年比1.62%減の1330万人、営業収益は866億円、経常利益は17億円の黒字経営をめざす。関西国際空港代表取締役副社長の竹内剛志氏は、「2009年度を底として少しでも早く成長路線に転換し、経営体制強化に向けて集中と選択をおこなっていく」と方針を説明。国際線旅客数については、1月以降は順調との認識で、春節やそれ以降も伸びているため「期待が持てる。海外プロモーションなどを通じて目標を達成したい」と意気込みを見せた。

 国際線旅客数は0.31%減の954万人と前年実績を下回る目標値だが、これは国際線の機材小型化や日系航空会社の便数減少などの見込みを含めたもの。一方で、発着回数については2009年度実績と比べて2000回多い7万6000回をめざし、外国航空会社の新規路線の定着化と増加をはかっていく考えだ。国内線発着回数は減便の影響などを含めて2000回少ない3万3000回とし、内際合計で2009年度実績と同じ合計10万9000回をめざす。

 また、国土交通省の成長戦略会議で進められている財務構造の抜本的改善策については6月に結論が出る予定だが、「補給金が90億円から75億円に減額されるとなれば経営は厳しいが、黒字に回復させたい」と話した。現在実施している国際線の発着料割引については、補給金が減額した場合にも10年度冬スケジュールまで継続する。

 このほか、2010年度の重点施策としては、国際拠点空港としての競争力強化、利便性の向上など空港機能の強化、地球環境的視点にたった取り組み、経営体質の異なる強化に向けた取り組みの4点を掲げた。