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バンコクで邦人死亡、旅行への影響懸念−渡航情報の引き上げは現状なし

  • 2010年4月13日
 バンコクで4月10日、タクシン元首相派の団体(UDD)のデモ隊と治安当局との間で衝突が発生し、取材中であった日本人ジャーナリストの村本博之さんが巻き込まれて死亡した。村本さん以外にも多数の死傷者が出ており、外務省は4月11日付けでスポット情報を発出して注意を喚起。抗議活動がおこなわれている場所に近づかないことや、UDDのシンボルカラーである赤色の服装を着ないことなどの徹底を求めた。一方、渡航情報の引き上げについては、4月12日15時現在では「考えていない」(外務省領事局海外邦人安全課)という。

 ジェイティービー(JTB)、エイチ・アイ・エス(HIS)、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行、阪急交通社など旅行会社各社では、「間際のキャンセルが通常時よりも1割ほど多い」という会社もあるものの、衝突が発生したのが週末であったこともあり、4月12日時点では総じて大きな影響は出ていない様子。各社ともに募集型企画旅行は催行も募集も継続している。

 また、4月29日発で静岡空港発のチャーター便利用商品を設定しているタビックスでも、「今のところ影響はさほど見えていない」といい、催行に向けて4月13日に責任者が現地を訪問して視察と打ち合わせを実施する予定だ。

 タイ国政府観光庁(TAT)によると、3月にUDDがデモを開始した当初から団体旅行の取り消しやファーストタイマーの手控えなどが発生している一方、日本人訪問者数の7割を占めるFIT層は底堅いといい、今回の衝突による急激な落ち込みはないようだ。ただし、団体とファーストタイマーの予約が入りにくくなっていることは事実であり、今後の影響が懸念される。