ハウステンボス、11年度に黒字化めざす−エンターテイメントなど魅力創出

  • 2010年3月29日
 エイチ・アイ・エス(HIS)代表取締役会長の澤田秀雄氏は3月26日、ハウステンボス(HTB)の代表取締役社長に就任した。東京地方裁判所に提出した「更生計画変更計画」が同日に認可されたことを受けたもの。HIS経営企画室によると、同日に開催した記者会見で澤田氏は、入場料を最大2割以上値下げし、園内の3分の1を無料ゾーンとするなど事業計画を説明。その上で、2011年度に経常利益1億円をめざす考えを明らかにした。

 運営にあたっては、「まずはマイナスをゼロに」(HIS経営企画室)することをめざす。入場料は現在の大人3200円を繁忙期に3000円、閑散期は2500円に値下げ。また、来場者の満足度向上のため、飲食施設の営業時間を見直し価格帯も拡大する。

 ハード面では、キャンプサイト「キャンプテンボス」や海上釣り堀などを整備。海上釣り堀では、釣った魚を調理するレストランも用意する。また、佐世保バーガーなどを楽しめる「佐世保グルメストリート」も設ける計画だ。ソフト面では、清水国明さんらが出演するミュージカルや、マジシャンのプリンセス天功さんのショーなどを実施。また、敷地内に育てたバラを活用する「ローズ ペイサージュ国際バラコンクール」の開催も決定している。

 HISとの相乗効果については、国内ツアー造成のほか海外支店からの送客もねらう。プリンセス天功さんの起用は、海外での人気の高さも理由の一つという。また、コスト削減の一環で、HISの東京のコールセンターも一部をHTB内に移設する計画だ。

 なお、黒字化をめざす2011年度の有料ゾーンへの来場者は146万人、営業収益は123億円を見通す。来場者、営業収益とも2010年度と2011年度にそれぞれ前年比5%程度拡大したい考えだ。2010年度は4億円の経常損失の見通しだ。決定済みの経営陣は下記を参照のこと。


▽HTB役員体制
・代表取締役社長
澤田秀雄氏(HIS代表取締役会長)
・取締役
中谷高士氏(HIS経営企画室長)/常勤
唐池恒二氏(九州旅客鉄道代表取締役社長)/非常勤
中森達也氏(HIS取締役西日本地区営業統括兼関西営業本部長)/非常勤

・監査役
後谷耕司氏(HIS監査室)/常勤
梅田常和氏(HIS社外監査役)/非常勤
矢田素史氏(九州産業交通ホールディングス代表取締役社長)/非常勤

・顧問
野田一夫氏(日本総合研究所理事長、多摩大学名誉学長)
松尾新吾氏(九州電力代表取締役会長)
安部直樹氏(九州文化学園理事長)

※今後も社内外からの人選を進め、増員をはかって体制を強化する予定