日本航空、10年度チャーターは前年度並み230本めざす−欧州方面を強化へ

  • 2010年3月24日
 日本航空(JL)は2010年度、合計で2009年度並みの約230本(往復)のチャーター便の運航をめざす。2009年度は400本をめざしたが、景気後退や新型インフルエンザの影響で国際線定期便の需要も落ち込んだため、結果的に約230本となる見通し。一方、JL国際営業部路線販売グループ課長補佐の宮城孝浩氏によると、2010年度は「他社を含めて定期便が減る中で、座席供給量の減少分を補完するために(チャーター事業に)より力を入れていく」方針で、定番のパラオやアラスカのほか、欧州方面の強化や2年目となる「ファミリージェット」の運航などにより目標達成をめざす考えだ。

 方面別では、パラオが80本、アラスカが30本から40本、ホノルルが20本から30本を予定。注力する欧州方面は、前年度に初めて実施して人気が高かったギリシャや3年目のクロアチアのほか、新たに7都市への運航を計画しており、合計で前年度の約20本から約30本に拡大する方針。7都市はナポリ、ニース、エジンバラ、ベルリン、ワルシャワ、ベニス、マラガだ。これは、「常に新しいことをやっていきたい」(宮城氏)との考えに基づいたもので、例えばベニスやギリシャではクルーズにつないで商品化される予定もある。また、現在エジプトやカトマンズ、ラスベガスへの運航も検討中という。

 このほか、年末年始など繁忙期のチャーターも例年通り実施する。昨夏実施した家族連れ専用の「ファミリージェット」もホノルルで設定する。こうした特色あるチャーターについては、今後「少しずつ路線や期間を増やしていきたい」との考え。さらに、2009年度下期には新潟や富山発着のホノルルチャーターを運航しており、需要にあわせて2010年度も実施したいという。

 なお、2010年度に向けて旅行会社側のチャーター便の利用意欲も高いといい、定期便の減少にあわせて従来以上に積極的な姿勢となっているようだ。これまで取引のなかった中小規模の旅行会社からの問いあわせも増えているという。


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※便数の表記を片道ベースから往復ベースに変更しました。(2011年3月31日12時55分 編集部)