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日本システム開発、顧客管理と販促方法にも工夫を−セミナー開催で

  • 2010年3月10日
 日本システム開発(NSK)は先ごろ、旅行ジャーナリストの村田和子氏の講義による「旅行者視点で考える、価値ある旅行会社とは」と題したセミナーを開催した。村田氏自身のマーケティングや販売促進の業務経験を活かし、消費者の視点から旅行者のニーズへの的確な対処方法を提案。当日は旅行会社経営者などが参加し、熱心に耳を傾けていた。

 まず、市場が個人旅行へのシフトしていることを例にとり、旅行会社を利用しない理由として「利用したいサービスがない」「自分でできる」などがあると述べる。ただパンフレットを店頭に並べ、ウェブサイトで紹介しているだけでは、旅行者はその商品を選ぶポイントがわからず契約までつながらない。ツアーならではの利点を明確に打ち出し、自社商品のメリットをしっかり伝えること。旅行会社だからこそできるプランを作成し、その価値を積極的にアピールすべきと村田氏は言う。

 例えば、病院の問診表のように、来店した客に好みや興味の対象を事前に書き込んでもらう。これにより、同行者や予算、どんなところにどんな目的で行きたいのかが読み取れ、旅行会社からも具体的な提案が可能となる。顧客満足度を高めることで旅行会社を利用するメリットを感じてもらえるとの考えだ。

 また、利用頻度の高い顧客に対してのみインセンティブやセールなどを実施するといった差別化した販促方法も提案した。旅行は実際に行ってみるまで目に見えない商品であり、他の商品との違いもわかりづらい。価値がわかりづらいうえに実際に行くまでの期待値が高いため、まずは「失敗したくない」という旅行者の気持ちをよく理解することが大切と村田氏は話す。顧客の嗜好を理解し、そのニーズにあわせた商品の提案が必要だと訴えた。