アクセスランキング、阪急阪神新体制が1位−休暇分散も注目高く

  • 2010年3月6日
[総評] 今週の1位は、阪急阪神交通社ホールディングスの役員人事と組織改正の記事が入りました。同社では、今年4月から阪急交通社と阪神航空を統合する計画で、新体制での船出となります。募集型企画旅行ひとつとっても募集形態も特徴も大いに異なる2社が、どのように相乗効果を発揮して「阪急阪神交通社グループ」として事業を展開するのかが注目されます。この点については、1月に掲載した“新春インタビュー”で現代表取締役社長(4月1日以降は代表取締役会長)の小島弘氏がいくつか考えを述べられていますので、ぜひご一読いただければと思います。

 また、2位には休暇分散化の記事が入りました。休暇分散化はここにきて政府の取り組みが本格化し、少しずつ現実味が増してきました。現在の観光庁の案は、簡単にいうと「ゴールデンウィークを各地区ごとに設定する」、「海の日、敬老の日、体育の日の3日間を集めて10月か11月に5連休を作る」の2つであるようです。

 休暇の議論では、休暇分散による需要の平準化と、有給休暇取得推進による需要喚起の2本の柱がありますが、今回は分散化についての話が前に進んでいます。有給については、溝畑宏観光庁長官が先日の会見で、ご自身の経験や経済環境を踏まえて「有給休暇を取れるような雰囲気ではない。特に地方は厳しい」と指摘されていました。業種、企業ごとに差異はあるはずですが、日本全体で有給の平均取得率が40%台でさらに減少傾向にあるとのことですから、取りにくいことは間違いないでしょう。おそらく読者の皆様も同意されるのではないでしょうか。

 個人的な考えですが、旅行業界の皆様が有給を取りにくいことは「紺屋の白袴」といって良いのではないかと感じています。旅行業界が率先して取得率100%をめざさずに、世間に対して「もっと有給をとって旅行に行こう!」と呼びかけても冷笑しか返ってこないでしょう。旅行会社の経営者層の皆様には、是非とも積極的な取り組みを望みます。なお、もうひとつ個人的に、どうせなら休日を増やしてほしいと願っていましたが、今回の「休暇分散化ワーキングチーム」では議論の俎上にも登らず残念な限りです。国民の期待はそこにあると思うのですが。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年3月第1週:3月1日2時〜3月5日18時)
第1位
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