上海万博、誘致活動を本格展開−東京キックオフ式皮切りに

  • 2010年2月9日
 中国国家観光局は2月1日、日本の国会議員や旅行業界関係者を迎え、開幕まであと3ヶ月となる上海万博のキックオフ式を都内で開催した。冒頭の挨拶で壇上に立った中国国家観光局副局長の杜江氏によると、中国国家観光局では上海万博観光客誘致PR活動を世界各国で展開することを決定。20の国や地域で広報活動を200回以上行うといい、「万博だけでなく観光資源が豊富な中国を訪れるブームを巻き起こしたい」と語った。

 また、これまでの日中交流の深さに触れ、2009年度の中国観光業界は経済危機や新型インフルエンザなど二重打撃に見舞われたにもかかわらず、中国から日本への渡航者数は155万人に達し、2008年度と同レベルを維持。また、日本から中国への渡航者数は332万人で、前年度比では3.73%減少したものの、下期は10月を除き月ごとの訪中者数はいずれも成長を続けており、訪中者数で日本が第1位となったという。2009年10月に中国国家観光局局長邵(キ)偉氏が掲げた、中国への日本人入国者数100万人という目標に対し、「両国の観光業界の反応は積極的。日本の旅行業界にはより多くの観光客をお送りいただき、楽しい上海万博を体験していただきたい」と業界への期待を語った。そのうえで、「上海万博の成功は中国だけでなくアジア全体の成功」ととらえており、日本の観光局との提携・協力関係を要請、より深い交流と貢献をしていきたいという。

 日本側からは、参議院議長の江田五月氏が登壇し、愛知万博を成功させた“先輩”として日本からの協力を惜しまないと述べ、「新しい観光のあり方を示してほしい」と激励の意を示した。このほか、衆議院議員で全国旅行業協会(ANTA)会長の二階俊博氏は、中国国家観光局から上海万博への日本人送客数100万人の要請に対し、「日本旅行業協会の金井会長とも相談し、この申し入れを受けようということにした」と話し、日本の旅行業者に対しても協力するよう促した。中国政府および日本政府も、足並みをそろえ万博を機に旅行産業の発展をめざす。

※(キ)・・・王へんに其