ハワイ州観光局、2010年は大幅成長に意欲、座席拡大と円高基調で市場回復へ

  • 2010年2月2日
 ハワイ州観光局(HTJ)は旅行業界向けセミナーで、HTJ代表の一倉隆氏は「業界全体として、今年の海外旅行者数を前年比7.4%増の1660万人へ戻していこうとしている。ハワイとしても7.4%増以上の数字を出し、協力していきたい」と、回復に向けた強い意欲を示した。2009年の日本人訪問者数は前年比4.9%増減の111万7159人の見込みで、その7.4%増は約120万人。

 その追い風となるのが、航空座席数。2009年が0.5%減の159万7326席であったが、平均ロードファクターは70%で「まだまだポテンシャルがある」とする。さらに今年はデルタ航空(DL)や全日空(NH)、大韓航空(KE)が機材を大型化を予定しており、一倉氏は「大型化によりビジネスクラスも増える。価格と人数のバランスが取れた形で送客をお願いしたい」と、期待を語った。また、2009年の日本人消費額のうちホテル宿泊費が約15%減少していることについても「市場が悪いなか、各ホテルがプロモーションレートを出している」とし、円高を含めハワイへの旅行がしやすい環境にあることをアピールした。

 ターゲット層は、ロマンス、三世代、アクティブシニアのほか、成長性のある層として「アラサー」「アラフォー」のシングル女性と教育旅行に力を入れる。特に教育旅行は、年間80校・1万1000名が訪れる市場で「少子高齢化のなか、若い人にハワイを訪れてもらいたい」として、力を入れて開発していく考えだ。また、マーケティングタグラインは「人生の中の、ハワイ。〜My Annivesary Hawaii」を継続し、「ハワイ50選」では、自然写真家の高砂淳二氏とのコラボレーションを実施。同氏の写真を使用したポスターなどの店頭用ビジュアル、パンフレットなどの制作物用素材などを作成し、旅行会社に配布する。一倉氏は「ハワイの人気は根強いものがある。消費者の関心を実際の予約に結びつけてほしい」と語り、そのためにHTJとしてできる限りのサポートをしていくことを強調した。

 なお、セミナーではホノルル現地で、HTJハワイ・プロジェクト・コーディネーターを務めるフジタ佳子氏が、「多様性と進化」をテーマに最新情報を提供。多様化するフラ関連ツアーの状況やオアフ島北東部のワイアナロの農園、タンタラスの丘からのダウンヒルなど、新たな観光素材やアクティビティを紹介した。


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