溝畑新長官、1000万人に向け「打つ手すべて打つ」−中国個人ビザ緩和は夏前か

  • 2010年1月28日
 観光庁長官の溝畑宏氏は1月27日の定例会見で、2010年の訪日外客数につおいて「打つ手はすべて打って1000万人に向けてがんばっていきたい」と意欲を示した。2009年の訪日外客数は前年比19%減の679万人で、2010年に観光立国推進基本計画の1000万人の目標を達成するためには47%の増加が必要で、「数字だけ見ると高い目標」と指摘。しかし、「スタートしたばかりなので(達成が)無理だとは考えていない」とし、特に韓国、中国、台湾、香港の主要4市場でのプロモーションを積極展開するなどして目標達成をめざす考えを示した。

 具体的には、主要4市場に対して3倍強となった予算を有効活用してプロモーションを効果的に展開することが必要との考え。また、中国人個人観光ビザの要件緩和、休暇分散にも取り組む。また、スポーツ観光も具体的な展開につなげられるよう野球やサッカーのリーグ関係者と協議を進めているという。

 中国個人観光ビザの発給数は、昨年7月から年末までの半年間で7689件。年間でも「2万件にいくかいかないか」であり、現在のところは団体の方が圧倒的に多い状況だ。しかし、「ビザの発給数を増やしていく上で、個人ビザの要件緩和は重要な課題」との認識で、観光立国推進本部の外客誘致ワーキングチームで、早期の要件緩和を要望しているところ。要件緩和の程度については、関係省庁から何らかの経済要件は必要と主張する中で、「所得要件は撤廃してほしいと申し入れている」という。実現に向けたスケジュールとしては、「関係省庁の協力を得られないと前に進まないので、1月中は難しい」ことから、「上海万博までに間に合うようにしたい」考えだ。


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