国際線1社体制も「選択肢」−前原大臣、2社競争の基本認識は変更なし
国土交通大臣の前原誠司氏は1月22日の記者会見で、日系航空会社の国際線を1社に集約することを「選択肢の1つ」と言及した。前原氏は、「従来から2社体制が望ましいといってきた。国内の2社体制は堅持していかなければならないし、国際線も2社が競争していくのであれば結構なこと」とし、2社体制の堅持が基本的な考えであると説明。一方で、今回の日本航空(JL)再建は公的資金も投入しており「必ず成功させなければならない」ことから、LCCの台頭などによる競争の激化が今後予想される中で、「(3年後に)企業再生支援機構から手を離れる際には、選択肢の一つとして考えておかなければならない」とした。
また、他航空会社の不公平感については、観光立国での需要拡大、空港整備特別会計や公租公課の見直しなどにより航空会社の負担を軽減し、日本の航空会社全体の競争力を底上げしていく考えを説明した。ただし、「どの産業界においても、私的整理であれ公的整理であれ、整理をされて競争力がついた場合に同業他社が相対的に不利な体制に置かれることはありうる話」と指摘。その上で、国土交通省として運賃面などで何らかの基準を作ることは「今のところ考えていない」としつつ、「公正取引委員会が主体的にあらゆる産業分野に適用されるような指針を作るのが適当ではないか」と語った。
なお、JLの会社更生法適用申請の後、混乱が起きた報告を受けているかとの質問に対しては、「関係者の努力によって継続して飛び続けているし、大きな混乱も報告はまったく受けていない」と回答。その上で、「気を抜かずに引き続き万全を期して飛び続けながら再生を図るという基本姿勢を貫いていきたい」と強調した。
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