英国政府観光庁、「読んで旅する」キャンペーンを開始−レジャー需要好調

  • 2009年12月8日
 英国政府観光庁は12月7日から来年3月31日まで、「読んで旅するイギリス」キャンペーンを開始した。「舞台を辿って行けば、旅の楽しさが膨らむ」をコンセプトとし、アガサ・クリスティ、ジェーン・オースティンなどの英国人作家ゆかりの地や本の舞台を訪ねる旅行をアピールする。特に20代から30代の女性層をターゲットとし、12月21日から日本全国のティールームなど約100ヶ所に、英語学習用教材でもあるペンギン・リーダーズ・シリーズの本14冊を設置。本につけたQRコードから、開設済みのモバイルサイトに誘導する。

 サイトでは、本の解説や英国人作家ゆかりの地、本の舞台、イギリス旅行の情報を掲載しており、例えばアガサ・クリスティの「オリエント急行殺人事件」では、作者の出身地であるデヴォン州のトーキーを紹介している。パソコン用サイトでも同様の情報を発信する。ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のプレミアム・エコノミークラス往復航空券などのプレゼントも用意し、参加意欲を喚起する。

 英国政府観光庁マーケティング・マネージャー・ジャパンのチャイナ・ボスウォース氏によると、現在の需要動向として「1月から9月で日本人訪問者数全体が約10%減少しているのに対し、レジャー目的は約20%増加している」という。円高ポンド安が好影響を及ぼしているとの分析で、VATの払い戻し額も増加しており、「日本市場の潜在的な需要のあらわれ」と見る。2010年もレジャーは「期待できる」とし、今回のキャンペーンのほか、若年層向けのプロモーションや欧州他国との共同プロモーションにより訪問者数の増加をめざす方針を説明した。