インド国鉄子会社が合弁会社設立、「マハラジャ・エクスプレス」運行開始

  • 2009年10月26日
 インド国鉄の100%子会社であるインディアン・レイルウェイ・ケータリング・アンド・ツーリズム・コーポレーション(IRCTC)は、ツアーオペレーターのコックス・アンド・キングス社と提携し、2010年1月より豪華列車「マハラジャ・エクスプレス」の運行を開始する。このほど合弁会社「ロイヤル・インディアン・レイル・ツアーズ(RIRTL)」を設立したことを受け、RIRTL会長でありIRCTCのマネージング・ダイレクターでもあるラケシュ・タンドン氏をはじめとするミッションが来日して商品について説明した。

 列車は定員88名で、一編成は客室車両14両を含む計24両。ダブルベッド、ツインベッドキャビンのデラックス客車5両、ジュニアスイート客車6両、リビングとベッドルームつきのスイート客車2両、2室のベッドルームにリビング・ダイニングルームつきのプレジデンシャル・スイート客車1両という構成で、すべての客室にバスルームを設置。キッチンだけで1車両使用しており、ケータリングにこだわりがあるようだ。IRCTCのダイナミック・ダイレクターでありRIRTLのダイレクターでもあるナリン・シンガル氏によると「食には大変重点をおいており、日本市場向けに、団体なら日本人シェフによる和食を提供することも可能」とのこと。

 現在のところムンバイ/デリー間を結ぶ西部および北部インド路線と、デリー/コルカダ間を結ぶ北部および東部インド路線の2路線4コースを運行する予定。タージマハル見学やジープサファリ、シャンパンランチなどの観光が含まれており、6泊7日、7泊8日のオールインクルーシブプランだ。車内、観光中の食事はもちろん、アルコール類もハウスブランドのものなら料金に含む。10月から4月はスケジュール運行のみだが、5月から9月はチャーターもでき、インセンティブや有名シェフを同行するなどのアレンジが可能だ。コックス・アンド・キングス・ジャパン代表取締役の松井千枝子氏は「一般のツアーでは行きにくい旅先で、専用の世話係やガイド付きのケアの行き届いたツアー。途中下車をして旅を短くすることもできるし、“マハラジャ”気分で快適な旅を提供することができる」とフレキシビリティと快適性に自信を見せる。

 これまで州をまたぐ旅行はバスの乗り継ぎなどが必要だったが、今回初めて州境を超えた列車旅行が可能になった。シンガル氏も「移動の多い旅行中は何度もホテルのチェックイン/アウトを繰り返さねばならないが、その必要はない。インド旅行をプロモーションするには格好のプラン」とセールスポイントを語った。デラックス・キャビンは1名1泊につき800米ドル、ジュニア・キャビンは900米ドル、スイートは1400米ドル、そしてプレジデンシャル・スイートは2500米ドルの料金設定となる。初年度は年間に30本の運行を予定しており、そのうち30%を日本市場が占めると予想している。