観光活性化フォーラム
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年内決着めざし日米航空協議が再開催−大臣政務官は「カボタージュ」指摘

  • 2009年10月23日
 日本と米国の航空当局間協議が10月26日から29日にかけて東京で開催される。国土交通省航空局国際航空課によると、交渉の焦点は引き続き首都圏空港の発着枠とオープンスカイ。これまでに3回開催した協議で日本側は、羽田は深夜早朝枠での路線設定、成田は米国企業の持つ発着枠が過大であるとの認識から、増枠ではなく返却を要望しており、こうした考えに米国は反発。一方、オープンスカイは米国側が進める政策で、日本側は成田の発着枠について同意がなければ応じられないと主張し、物別れに終わっていた。しかし、2010年の首都圏空港の再拡張を前に残された時間は少ないことから、年内の決着を念頭に議論が進められる予定だ。

 ただし、国土交通大臣政務官の長安豊氏は10月22日の会見で、「今度11月にワシントンDCで開催されると思う」と話しており、今回の協議ですり合わせをおこない、次回以降の合意をめざす方針と見られる。


▽長安政務官、「あくまでオープンスカイ」−外国航空会社の日本国内線にも可能性

 長安氏は同じ会見の場で、国土交通大臣と副大臣、大臣政務官の三役として日米航空協議に臨むスタンスを聞かれ、「あくまでも日本をオープンスカイにしていくことが我々の想い。一方で米国内でのカボタージュ(他国の航空会社による自国の国内線の商用運航)が認められていない現実もある」と言及した。「カボタージュ」は、例えば日系航空会社が米国の国内線を、あるいは米系航空会社が日本の国内線を運航することを指し、自国の航空会社の保護などを目的に両国ともに制限している。

 オープンスカイ、つまり航空の「自由化」を進める米国側もカボタージュの容認を求めてはおらず、これまでの議論でも「一度も出ていない」(国際航空課)という。しかし、長安氏の発言は、カボタージュを望ましいものとして捉えていると受け取れる。残された時間から考えれば今回の協議で要求することは非現実的で、国際航空課でも今のところカボタージュ容認を求めるような指示はないというものの、今後新たな焦点として議論される可能性も出てきた。