前原大臣、中部空港の発展信じる−2本目滑走路は明言避ける

  • 2009年10月19日
 国土交通大臣の前原誠司氏は10月18日、日中韓観光大臣会合の場で記者の質問に答え、羽田空港ハブ化発言の真意と中部国際空港の認識について「(羽田のハブ化は)羽田だけに力を入れるということではない」と語った。前原氏は、「首都圏だけに限っても、2030年には首都圏空港の離発着回数は94万回になるといわれている。成田が30万回、羽田は41万回に拡大するとしても足りない」とし、「成田の国際空港としての拠点空港は維持、あるいは拡大しつつ、羽田の24時間ハブ空港化をめざす」ことがねらいと説明。

 中部については、「一部の報道では羽田をハブ化すると地方空港が地盤沈下をするといわれているが、私はまったくそう思っていない」と強調。また、「2008年の訪日外客数835万人を2016年までに2000万人、2019年までに2500万人に拡大することをめざしているが、そのためには中部、関空といった空港を活用していかなければならないと思っている」とも語った。その上で、「地域の努力もあいまって、中部空港はますます発展すると思っており、航空行政をつかさどる者としてしっかりとバックアップしていきたい」との認識を示した。

 一方で、中部圏の地元が求めている2本目の滑走路については、「具体的な要望を受けていない」とし、要望があった段階で判断すると回答を避けた。ただし、「今我々が必要と考えているのは福岡と那覇の2本目の滑走路。これについてはしっかりとサポートしていきたいと考えている」とも語っており、中部については現時点で必要性が低いと考えていると見られる。