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カナダ、業界向け予算増額−日本人旅行者50%増も視野に

  • 2009年10月16日
 カナダ観光局(CTC)は2010年、日本市場で旅行業界向けの予算を増加する。CTC国際担当副社長のチャールズ・マッキー氏とCTC日本代表のアンソニー・リッピンゲール氏が説明した。予算総額は日本円換算でほぼ同額ながら、業界向け予算の割合を2009年の約4分の1から3分の1に拡大する。また、日本旅行業協会(JATA)のビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)の重点デスティネーションにも選ばれており、各州の観光局や航空会社、旅行会社との連携を強化。2008年の日本人訪問者27万7000人と比較して、2010年は25%から50%の増加をめざす。

 リッピンゲール氏は「カナダを訪れる日本人のうち、旅行会社を利用して旅行商品を購入しているのは70%以上で、旅行情報の収集手段としても「インターネットについで重視されている」と理由を説明。予算の増額分は、教育やトレーニングを重視する方針で、カナダ・スペシャリスト・プログラムも現在の450名程度から800名まで増加したい考えだ。また、VWCの枠組みの中で、カナダにかかわる業界関係者の連携の強化をはかり、送客増加をねらう。マッキー氏も、円高や景気が回復基調にあること、オリンピック開催により注目があがることなどと合わせて、「良い材料を生かせるかは我々次第」とし、関係者の連携の重要性を訴えた。

 このほか、「CTC日本オフィスの体制はこの数年変わってきたが、その過程の中で旅行業界への対応がいかに重要か認識した」(リッピンゲール氏)といい、新たに業界向け担当者を採用する予定だ。なお、体制の変化では不在だった日本代表にリッピンゲール氏が6月に就任したこともあり、VWC2000万人推進室室長の澤邊宏氏は「日本市場を再評価する動き」と歓迎している。


▽日本重視の姿勢明確に

 CTCは、日本市場への姿勢も強化。これまでは「Kanata」として開催してきたマーケットプレイスを今年は「Showcase Canada」にリニューアルして現在開催中だが、韓国と中国でも開催していたものを今年は日本に集約。これはマーケットプレイス出展者のコストと時間の削減を目的としており、これまでは日本での開催に出展していなかった現地企業の出展が見込め、新たな商品造成の可能性も生まれる。今回新たに出展した企業は、全60社中18社となる。開催地に日本を選択した理由についてマッキー氏は、「これまでの実績を見れば、日本市場はもっと送客可能」とし、潜在的な可能性が高いと捉えていることを紹介。来年以降も、今回の参加企業からの評価が高ければ日本で開催する予定で、「今のところ反応はポジティブ。来週中にも来年の開催をアナウンスできる」(リッピンゲール氏)見込みだ。


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