関空、国際線新規路線の着陸料を無料に−増加分も8割減、路線網拡大に期待

  • 2009年9月1日
 関西国際空港は2009年度冬スケジュールから、国際線誘致を目的とした発着料の割引プログラムについて、割引率を引き上げることを決めた。これにより、国際拠点空港として国際線ネットワークの確保、拡大をめざすとともに、中長期的には増収を見込む。このほか、大型機材を運航する航空会社への着陸料割引や施設賃料についても料金施策を展開する。

 国際線の発着料割引では、基準値と比較して新たに増えた航空機材のトン数に対して、現行の割引率である30%を80%へ引き上げる。期間は2009年度冬スケジュールから2010年度冬スケジュールの約1年半。機材の大型化や増便だけでなく新規就航も対象で、新規就航の場合、さらに関西国際空港全体構想促進協議会(促進協)の実施する新規就航奨励金制度が利用でき、関空の着陸料の20%分が支援されるため、併用することで一定期間は着陸料が実質的に無料となる。

 大型機材を運航している航空会社に対する着陸料割引では、航空機の200トンを越える部分について国際線着陸料単価を現行の1トン2090円から1000円に引き下げる。2009年10月から6ヶ月間適用とする。関空ではこれにより、数億円程度の減収を見込んでいるという。このほか、国際貨物ハブ空港としての機能を強化するため関空物流拠点化促進制度を創設。2009年度中に一定面積以上の物流施設を新設したり増床したりする契約を結んだ場合、該当する新設、増床部分の賃料を一定期間大幅に割り引く。なお、これらの施策はいずれも自助努力で実施するもので、2010年度航空局の概算要求で確保した160億円の給付金を見込むものではない。


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