アマデウス、オンライン予約システムの導入容易に、中小旅行会社の開拓めざす

  • 2009年8月20日
 アマデウス・ジャパンは8月19日、旅行会社向けに2種類のオンライン旅行予約ソリューションの提供を開始した。新製品は、オンライン予約サイトを低コスト、短時間で構築可能な「アマデウス・エージェンシーインターネットエンジン(AEIE)」と、業務渡航を取り扱う旅行会社向けの「アマデウス・ビジネストラベルポータル(ABTP)」の2種類。導入にかかる費用を抑えることで敷居を下げ、中小規模の旅行会社を取り込む。営業本部本部長の古賀京介氏は、東京で開催した製品発表会で「既存の限られた市場のシェアを奪い合うだけでは我々も勝ち残れない。今後は旅行会社の皆様と一緒に、新たな利益、予約、ビジネスを開拓していかなければならない」とねらいを説明し、今後も「そのために何ができるのか考えていきたい」と語った。

 AAIEは、アマデウス・アジアで開発したもので、アマデウスのGDSに登録されている航空券とホテル、レンタカーを旅行会社のウェブサイト上で販売するための機能をパッケージ化。ASP形式で提供するため、旅行会社は自社のウェブサイトとリンクを設定するだけでシステムを連動することが可能。このため、システムの構築費用や作業に必要な日数が短縮できる。また、航空券はGDS上のノーマル運賃とPEX運賃以外に、IT運賃も登録可能。さらに、日本語だけでなく、英語や中国語など8言語に対応しており、訪日外国人向けのサイト構築も可能だ。

 一方、ABTPは、従来提供しているオンライン出張予約・管理ソリューション「アマデウス・eトラベルマネジメント」の廉価版の位置づけ。機能は、航空券やホテル、レンタカーの照会・予約などの基本的なものにしぼったが、365日24時間予約を受け付けられるほか、販売を強化する航空会社やホテルの管理、企業レートの登録、顧客が頻繁に出張する都市や路線の登録なども可能だ。

 なお、これらの製品は、基本的にはアマデウスのGDSに登録された商品を販売するため、そのまま導入するだけでは同じ製品を利用する他社との差別化はしにくい。この点について古賀氏は、中小規模の旅行会社がオンライン販売を試せることが重要と強調。更なる機能強化を望む会社には、アマデウスの別のソリューションを提案していく。また、旅行手配にかかる時間やコストを削減することで、付加価値の高いサービスを提供できる助けになることもメリットとの考えだ。