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オーストラリア、店頭スタッフの教育プログラム開始へ−JATAのD/Sと連動

  • 2009年8月6日
 オーストラリア政府観光局(TA)は10月から、全世界で展開中の店頭スタッフ向けオンライン研修「オージー・スペシャリスト・プログラム(ASP)」を日本でも開始する。日本旅行業協会(JATA)のデスティネーション・スペシャリスト(D/S)と連動し、D/S認定試験の合格者は、ASPにも認定されるようになる。TA日本・アジア統括本部長のリチャード・ビアー氏によると、「店頭スタッフこそ、旅行者がデスティネーションを選ぶ際のコンサルタント。自信を持ってオーストラリアを紹介できるようになってほしい」とのねらいだ。

 TA日本局長の堀和典氏は、戦略としてリテール強化を重要視していることを説明。TA日本支局では、以前はリテール向けの教育プログラムを実施していたものの、消費者はデスティネーションを決定してから店頭を訪れているとの調査結果もあったため、コスト面の負担もあって中止。しかし、リテールを対象とした世界遺産キャンペーンを展開するなかでリテールの重要性を再認識したほか、現在は「若年層で海外旅行経験のない消費者は店頭で話を聞いて、背中を押して欲しいと考えている」との分析で、導入を決定した。

 ASPは他国で2001年から展開しており、すでに2万人の認定者がいる。日本では、オーストラリアのD/Sに認定をされている368名が原則としてASPに認定され、10月以降の受講者はASPの認定をめざすことになる。認定者は、TAのASP用のウェブサイトの情報にアクセスして問い合わせ時の資料として利用できるようにし、研修旅行など各種イベントに参加可能とする。また、TAのサイト上で、地図から認定者が所属する店舗を検索できるようにして来店につなげるほか、名刺用の認定ロゴシールも配布する。

 なお、JATAとしては、今後もこうした連携に前向きで、ASPを「観光局とJATAの仕組みを融合してより良いものを提供する上でのベストプラクティスにしたい」(JATA・VWC2000万人推進室の澤邊宏氏)考えだ。