09年の出国者数予測、1520万人で変わらず−危機後はミドル層の影響強まる

この予測の前に黒須氏は今年上期の動向について説明。特に1月から4月は15歳から30代前半と45歳から55歳の女性の出国率が伸びた上、地方のパスポート取得数が前年より6万冊以上の増加したことから、「円高や燃油サーチャージの下落で、これまで海外旅行から遠ざかっていた低頻度層が市場に戻ったサイン」と分析する。動きはじめていた低頻度層が新型インフルエンザにより旅行をキャンセルし、次回の予定が立てられていないとしつつ、一旦加熱されたマーケットにはまだ余熱があるという。今後の動向については、航空座席供給量の減少や経済危機の影響による雇用状況の変化がポイントになるが、「今、将来を見通すのは難しい」と話した。
▽危機後は世代交代進む、ミドル層の影響力台頭

さらに、各年代別の年齢別出国率では、25歳から29歳、30歳から34歳の若年世代は出生年代が最近の現在の同年齢の世代ほど出国率が低下しているが、40歳から44歳、45歳から49歳までのミドル世代は出国率が上昇していることを数値で示した。例えば、25歳から29歳の出国率は、1968年から1972年生まれの世代をピークに低下しているが、40歳から44歳の出国率は現在の同年齢の世代である1963年から67年生まれが最も高い。こうした動向をもとに、海外旅行市場の「世代交代が進む」としている。
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