日米航空協議、またも物別れ−議論の円滑進行に向け作業部会を設置

  • 2009年7月14日
 日本と米国との航空当局間協議が7月8日から10日にかけて開催されたが、合意に至らなかった。今回も2008年10月の協議と同じく、2010年の増枠を踏まえた首都圏空港発着路線の輸送力と航空自由化について議論したものの平行線をたどった。ただし、羽田発着路線と成田の発着枠の配分、航空自由化の3点をパッケージ化して合意を目指す方針を固め、9月上旬に予定する次回協議に向けて準備を進めることを決定した。

 国土交通省航空局国際航空課によると、羽田発着路線について日本側は深夜早朝枠での就航を想定。それに対して米国側は時間帯や発着枠の制限に難色を示しているという。また、成田の発着枠では、日本側は「もともと米国は枠を持ちすぎている」との認識から、増枠ではなくむしろ返却を望みたい考えで、米国側は反発している。航空自由化は米国側が政策として進めるもので、日本側は「成田の発着枠について合意することが前提」と主張しているため、これらの3点をパッケージ化することを決めた。

 この準備の一環として、今後の議論を効率的かつ円滑に進めるため、特に航空自由化について作業部会を設置。ここでは、日米双方の制度やその運用にかかわる技術的な事項の整理などの作業を進める。

 なお、国交省では2010年の首都圏空港の再拡張に向けて各国との航空協議を進めているが、航空路線網の規模が大きいアメリカと中国の2ヶ国は合意に至っていない。当初は夏ごろまでにほぼ協議を終えることを目指していたが、中国との次回協議の詳細も決定していないといい、目標通りに終えることは難しくなってきたようだ。