観光活性化フォーラム
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エア・カナダ、国内線の一部運賃にコミッション復活−業界は歓迎の声

  • 2009年7月3日
 エア・カナダ(AC)はこのほど、カナダ国内線の一部運賃についてカナダの旅行会社向けのコミッションを復活した。対象となる運賃はリファンド不可、機内食なしなどの条件が付くAC国内線では最も安価な「タンゴ運賃」。格安航空会社(LCC)であるウェストジェット航空(WS)との競合する中での措置。他の北米系航空会社では、すべての旅行会社にコミッションを支払う仕組みはないという。ACでもカナダ国内線の一部運賃が対象であり、日系航空会社の国内線コミッションは維持されていることから両市場の安易な比較はできないものの、ゼロ・コミッションがいち早く導入された北米での新たな動きと言えそうだ。

 ACは6月4日、同日からカナダ国内線のタンゴ運賃を販売したカナダの旅行業者に対して4%のコミッションを支払うと発表し、さらに9日にはコミッションを7%に引き上げた。4日の発表時には「流通網として旅行業界が果たす役割の重要性を認識」し、6月4日から7月31日までの期間に旅行会社経由でマイレージプログラム「アエロプラン」に申し込んだ場合、1000マイルのボーナスマイルと、最初の2フライトが12月31日までであればダブルマイルとするプロモーションも開始した。

 ACの経営陣が変わり旅行会社との関係見直しに動いたとの情報もあり、カナダのリテーラーが集まる組織「ARTA(Association of Retail Travel Agents)カナダ」は、「すべての旅行業者にとって非常に良いニュース。我々のサポートを求め、報酬の増額によりそのサポートを評価するすべてのサプライヤーとの関係を強化するよう、ARTAカナダの会員とすべての旅行業者に対して推奨する」と歓迎のコメント。現地旅行会社でも「中小の旅行会社はこれまで軽んじられてきており、非常にありがたい」と強調。競合するWSは9%のコミッションを支払っていたが7%に下げており、ARTAカナダでは「カナダの2大航空会社の報酬制度は変化の途上にあるが、我々はより良いコミッションプログラムを提供する航空会社をサポートし続ける」と強調した。