JTBグループ、VISAプリペイドカードを発売、初年度4万枚めざす

  • 2009年7月2日
 JTBグループのトラベルバンクは7月1日、VISAトラベルプリペイドカードの販売を開始した。VISAトラベルプリペイドカードは、海外ATMでの現地通貨の引き出しに加え海外ショッピングにも利用できるカードで、日本では初の展開という。ターゲットは海外旅行者や海外出張者、留学生、修学旅行生などで、トラベルバンク執行役員の中山精一氏は「初年度で4万枚は達成できる」と意気込みを見せる。高校生以上でパスポートを所有していれば利用できる点、プリペイド式ならではの計画的な支出を可能にする点などの利便性を打ち出し、トラベラーズチェックや現金を両替して持ち歩く層への販売をめざす。

 VISAトラベルプリペイドカードは、トラベルバンクウェブサイトで申し込みを受け付ける。利用者は、渡航前に海外で利用できる資金を指定の銀行口座に入金でき、クレジットカードと同様、海外ATMでの現地通貨の引き出しやVISA加盟店でのショッピングに利用可能だ。利用者にとっては、国内外の両替所で列に並ぶ必要がなく、トラベラーズチェックの現金化のように本人確認のためのパスポート提示が不要な点もメリットだ。残高は日本の交通系ICカードのようにカード側に記録するのではなく、ホストコンピュータで管理するため、紛失時の安心感もあるという。また、利用履歴をネット上で確認することもでき、特に企業の出張者や海外留学生に利便性を訴える方針。

 販売経路はネットが中心だが、銀行、大学や大学生協などを経由する申し込みも見込む。旅行会社も同様で、申し込みにつながった場合はコミッションも支払う。旅行会社にとってはトラベラーズチェックのように管理の手間がかからないこともメリットだという。ただし、JTBグループの店頭では取り扱わない方針だ。