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スペイン、語学学習者6万人をねらい語学ツーリズムをアピール

  • 2009年6月26日
 スペインの世界遺産の保護と観光促進を目的とする団体「スペイン世界遺産指定都市」とスペイン政府観光局は6月24日、「語学ツーリズムセミナー」を開催した。13都市が加盟するスペイン世界遺産指定都市を中心にしたスペインのプレゼンテーションと同団体が提案する「外国人向けスペイン語コース」を紹介するワークショップがおこなわれ、スペイン語学校や大学のスペイン語関連課程に携わる教育関係者、留学センターや旅行会社の留学担当者など約100人が集まった。スペイン政府観光局日本・韓国・台湾地区局長イグナシオ・ドゥカセ氏は、「スペインの人口よりも多い5800万人もの観光客が世界から訪れているのは豊富な観光資源のおかげ。スペイン語もその文化遺産のひとつで、スペイン文化を知るために欠かせないもの。日本でスペイン語を学んでいる約6万人をターゲットに、由緒ある教育機関と世界遺産観光の組み合わせをアピールしていきたい」と意気込む。

 スペイン世界遺産指定都市」の団長として来日したクエンカのフランシスコ・ハビエル・プリド市長は「13都市が共通して提供できるものは歴史遺産と語学ツーリズム」と強調。世界で2番目に古いサマランカ大学や500年以上の歴史を持つサンティアゴ・デ・コンポステーラ大学をはじめ、これらの都市には由緒ある大学が多く存在する。同団体が設定する「外国人向けのスペイン語コース」の6コースではそれぞれ2つの都市が体験できるように2つの大学やキャンパスを組み合わせており、各コースは語学研修に加えて世界遺産ガイドツアーなどのアクティビティも含まれる。参加者は大学の施設も利用できるほか、修了書も発行される。期間や内容はカスタムメイドにも応じているという。同団体が “語学ツーリズム”をプロモーションするのは日本が初めて。プリド市長は、「世界遺産のプロモーションをしたところ大変興味を持ってもらったので、まず日本から実施することになった。語学研修目的の訪問者数が増えれば現在の6コースからさらに増やしたい」と言及。

 会場となったセルバンテス文化センター東京のスペイン語コースでは現在300人以上が学んでいる。ビクトル・ウガルテ館長は「スペイン語を学ぶのは、スペイン文化に興味がある、スペインに行きたいというのが主な理由。語学とツーリズムに焦点を当ててプロモーションすることは非常に効果的。スペインは観光にも最適だが、同時に学習環境も整っている」と述べた。



▽スペイン世界遺産指定都市

アルカラ・デ・エナーレス、アビラ、カセレス、コルドバ、クエンカ、エイヴィッサ/イビサ、メリダ、サラマンカ、サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、セゴビア、タラゴナ、トレドの13都市。

▽「外国人向けスペイン語コース」は6コースを設定

 「カセレスーメリダ 世界遺産周辺“スペインの歴史と文化を通しての本物の旅”」(1600ユーロ)、「クエンカートレド クエンカとトレドにてスペイン語を学ぶ…スペインの芸術と自然の魔法の散策」(1997ユーロ)、「サマランカーアルカラ・デ・エナーレス “言語の道”」(1815ユーロ)、「サマランカーアビラ 二都市、一大学」(2カ月、1100ユーロ)」、「トレドーサンティアゴ・デ・コンポステーラ スペイン記念碑を通しての言語の旅」(1997ユーロ)、「コルドバーセゴビア 三文化を通しての言語ルート」(1530ユーロ)※指定以外は約1ヶ月のコース