JATA市場調査、新型インフルの影響「底打ち」−回復の見通しも
日本旅行業協会(JATA)が5月中旬から下旬にかけて実施した「旅行市場動向調査」によると、現況の旅行市場のDI値(※)は海外・国内ともに新型インフルエンザなどの影響で前回調査の見通しよりも悪化した。海外旅行全般の現況のDI値は、企業の出張抑制や新型インフルエンザによるキャンセルなどが影響し、前回よりも8ポイント減のマイナス80ポイント。3ヶ月前の前回調査時には燃油サーチャージ額の値下げや円高などによる上昇機運で、15ポイント増となるマイナス57との見通しが出ていた。海外旅行のマイナス80は過去3番目に悪いものの、9月以降には回復するとの見通しもあり、JATAでは“底打ち”との見解を示している。詳細な数値は下記を参照のこと。
顧客層別DI値では、すべてにおいて悪化。特に学生、ハネムーン、シニア、商用・視察が10ポイント以上減少した。商用・視察では、前年同期がマイナス21であるのに対し現況はマイナス86と大幅に低下していることがわかる。方面別では、比較的好調であったアジアが19ポイント減のマイナス58となり、ハワイやアメリカ・カナダなども5ポイント以上減少した。一方で中国は14ポイント増のマイナス68、ヨーロッパは3ポイント増のマイナス67と改善している。
3ヶ月後の7月から9月の見通しについては、新型インフルエンザの影響が沈静化すれば回復基調になるとの予想が多い。業種別では、海外旅行系旅行会社は現況でも3ヶ月後でもマイナス100、リテーラー1(旅行業の取扱額が30億円以上)でも現況、3ヶ月後ともにマイナス77と変化しない見込みだが、全業種では8ポイント増のマイナス72に改善する見通しだ。寄せられた回答の中にも、「海外旅行自体が円高や燃油サーチャージ額廃止などにより追い風となっている」「法人需要は減退しても夏のレジャー市場が動き出している」などの意見があった。また、夏休みを迎えるファミリー層が10ポイント増のマイナス67、学生が8ポイント増のマイナス74と回復すると見込まれている。
方面別の見通しではヨーロッパが7ポイント増のマイナス60、ハワイが6ポイント増のマイナス65、オセアニアが4ポイント増のマイナス75などとの予想。一方、アジアは1ポイント減のマイナス59。JATAでは、7月から8月にかけて香港や東南アジアが多少伸び悩んでいることや、燃油サーチャージ額廃止の影響が大きい長距離方面への需要の高まりなどによるものだと見ている。
※DI値は設問事項に対し、「良い」、「普通」、「悪い」、「取扱なし」の4回答を用意、この回答からシェアを算出するもの。「全て良い」場合にはプラス100となる。
▽海外旅行全般DI値(現在/3ヶ月後)
全体/-80/-72
総合旅行会社/-76/-61
海外旅行ホールセラー/-84/-60
海外旅行系旅行会社/-100/-100
リテーラー1/-77/-77
リテーラー2/-74/-70
インハウス/-95/-86
▽顧客層別DI値(現在/3ヶ月後)
ハネムーン/-68/-64
ファミリー/-77/-67
OL/-73/-66
学生/-82/-74
シニア/-62/-61
インセンティブ/-88/-85
商用・視察/-86/-80
▽方面別DI値(現在/3ヶ月後)
ハワイ/-71/-65
アメリカ・カナダ/-84/-84
ヨーロッパ/-67/-60
オセアニア/-79/-75
ミクロネシア/-68/-65
中国/-68/-66
アジア/-58/-59
顧客層別DI値では、すべてにおいて悪化。特に学生、ハネムーン、シニア、商用・視察が10ポイント以上減少した。商用・視察では、前年同期がマイナス21であるのに対し現況はマイナス86と大幅に低下していることがわかる。方面別では、比較的好調であったアジアが19ポイント減のマイナス58となり、ハワイやアメリカ・カナダなども5ポイント以上減少した。一方で中国は14ポイント増のマイナス68、ヨーロッパは3ポイント増のマイナス67と改善している。
3ヶ月後の7月から9月の見通しについては、新型インフルエンザの影響が沈静化すれば回復基調になるとの予想が多い。業種別では、海外旅行系旅行会社は現況でも3ヶ月後でもマイナス100、リテーラー1(旅行業の取扱額が30億円以上)でも現況、3ヶ月後ともにマイナス77と変化しない見込みだが、全業種では8ポイント増のマイナス72に改善する見通しだ。寄せられた回答の中にも、「海外旅行自体が円高や燃油サーチャージ額廃止などにより追い風となっている」「法人需要は減退しても夏のレジャー市場が動き出している」などの意見があった。また、夏休みを迎えるファミリー層が10ポイント増のマイナス67、学生が8ポイント増のマイナス74と回復すると見込まれている。
方面別の見通しではヨーロッパが7ポイント増のマイナス60、ハワイが6ポイント増のマイナス65、オセアニアが4ポイント増のマイナス75などとの予想。一方、アジアは1ポイント減のマイナス59。JATAでは、7月から8月にかけて香港や東南アジアが多少伸び悩んでいることや、燃油サーチャージ額廃止の影響が大きい長距離方面への需要の高まりなどによるものだと見ている。
※DI値は設問事項に対し、「良い」、「普通」、「悪い」、「取扱なし」の4回答を用意、この回答からシェアを算出するもの。「全て良い」場合にはプラス100となる。
▽海外旅行全般DI値(現在/3ヶ月後)
全体/-80/-72
総合旅行会社/-76/-61
海外旅行ホールセラー/-84/-60
海外旅行系旅行会社/-100/-100
リテーラー1/-77/-77
リテーラー2/-74/-70
インハウス/-95/-86
▽顧客層別DI値(現在/3ヶ月後)
ハネムーン/-68/-64
ファミリー/-77/-67
OL/-73/-66
学生/-82/-74
シニア/-62/-61
インセンティブ/-88/-85
商用・視察/-86/-80
▽方面別DI値(現在/3ヶ月後)
ハワイ/-71/-65
アメリカ・カナダ/-84/-84
ヨーロッパ/-67/-60
オセアニア/-79/-75
ミクロネシア/-68/-65
中国/-68/-66
アジア/-58/-59