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HIS、09年中間期は減収も経常利益35.8%増、送客シェアが拡大

  • 2009年6月15日
 エイチ・アイ・エス(HIS)の2009年中間期連結業績は売上高が前年同期比4.1%減の1662億5100万円、営業利益が61.6%増の41億1700万円、経常利益が35.8%増の36億9400万円、当期純利益が46.9%増の23億5000万円となり、減収増益となった。単価は低いものの韓国などの方面の商品が好調だったことに加え、取扱人数が約14%増の137万人となり、増益につながった。さらに、商品ごとの原価管理体制を強化したことが奏功している。旅行事業単体では、売上高が3.9%減の1652億6200万円、営業利益は69.1%増の59億6000万円と増益となった。

 円高や燃油サーチャージ額の値下げなどを始め、定額給付金支給をきっかけとする価格訴求型の施策を展開し海外旅行需要を喚起。発売10周年の「impresso」では観光名所の貸切などヨーロッパ方面を中心に特別プログラムを含めた商品を発売したほか、20周年となる「Ciao」では新たな商品シリーズを2つ展開した。また、オプショナルツアーなどを専門に販売するウェブサイト開設やタッチパネル式予約端末の導入による利便性向上をはかったほか、いい旅研究室を中心とするパンフレット表記の改訂や品質改善など商品の質の向上に注力した。

 このほか、連結子会社のエイティービーの解散と統合に加えて特約代理店の夢屋の直営化、欧州エキスプレスを傘下におさめた後の欧州個人手配旅行の強化を実施した。一方でオーストラリアでのホテル運営では法人需要を中心に客室稼働率が落ち込み、円高傾向も影響したため売上高は29.4%減の9億9200万円、営業利益は75.7%減の4900万円となった。なお、日本国内で開業したウォーターマークホテル札幌は連結対象外だ。

 通期の連結業績予想は変更せず、売上高が0.2%増の3690億円、営業利益が48.2%増の87億5000万円、経常利益が14.4%増の71億円、当期純利益で68.8%増の42億円をめざす。7月以降の燃油サーチャージ額の廃止や値下げなどを積極的にアピールし、夏休みや9月の5連休にあわせた商品造成と広告プロモーションで販売拡大をねらう。法人需要は厳しい状況が続くとの見通しながら、新規の問い合わせなどは入ってきており、今後も引き続き強化していく。