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シンガポールの「マリーナ・ベイ・サンズ」、09年内に50%開業−MICEに注力

  • 2009年6月11日
 シンガポール政府観光局(STB)とシンガポールを拠点とするマリーナ・ベイ・サンズは6月9日、大型総合リゾート施設「マリーナ・ベイ・サンズ」の最新情報をメディアに向けて紹介する懇親会を開催した。これによると、ホテルタワーは09年7月の完成を予定しており、09年末までにはホテル、カジノ、エキスポ&コンベンションセンターを含め、施設の50パーセントを開業できる予定だ。

 「マリーナ・ベイ・サンズ」は、再開発の進むマリーナ・ベイ地区のウォーターフロントに建築中の複合エンターテインメント施設。シンガポール国内初となるカジノのほか、ホテルと空中ガーデン、エキスポ&コンベンションセンター、イベントスペース、2ヶ所のシアター、ミュージアム、ガラス張りのパビリオン、ショッピング&ダイニングエリアを有する。有名シェフやショップの誘致にも力を入れており、幅広いニーズに応えていく。

 ホテルは55階建ての3つのタワーからなり、客室数は約2600室。観光客向けにカラフルな内装を施したオーシャンビュールームと、ビジネス利用者向けの現代的なシティビュールームの2つのコンセプトを持つ。ホテルタワーの頂上に位置する空中ガーデン「サンズ・スカイパーク」には、2つの屋外プールと庭園、レストラン、バーといった施設を備える。


▽MICEで年間500万人以上めざす

 マリーナ・ベイ・サンズの総支配人でシンガボール開発バイス・プレジデントのジョージ・タナシジェヴィッチ氏によると、マリーナ・ベイ・サンズは東南アジアを代表するMICE目的地をめざして07年より誘致に取り組み、予約の受け付けも開始。現在130から140のイベントの実施を予定している。日本では今のところイベント・オーガナイザーによるMICE誘致が主流だが、これから年末にかけて旅行会社にもアプローチしていく。
 
 エキスポ&コンベンションセンターは、総面積約12万平方メートル。約2000の展示ブース、250の会議室、4万5000人を収容できる会議・展示スペースがある。アジア最大となる8000平方メートルのボールルームでは、少なくとも6600人以上の着席式の宴会が可能で、ステージ・パフォーマンス用なら7000人、講演向けには最大1万1000人の座席を用意する。

 STBでは2015年までに年間1700万人の観光客の誘致を目標としているが、マリーナ・ベイ・サンズは、MICE事業で少なくともその3分の1に貢献したいとした。投資額は約5000億円で5年から7年で回収できる見込みという。マリーナ・ベイ・サンズとその波及効果による雇用創出は約3万人で、フルオープンとなる2010年度の利用者数は国内外合わせて2500万人から3000万人を見込んでいる。