インド横断の高級列車が運航開始へ−1泊1名800ドルから、100名以上めざす

  • 2009年6月9日
 インドで2010年1月9日、ムンバイ/デリー間、デリー/コルカタ間を結ぶラグジュアリー・トレイン「マハラジャ・エクスプレス」の運行が開始される。日本で日本地区総代理店(GSA)を務めるコックス・アンド・キングス・ジャパン代表取締役の松井千枝子氏によると、これまでインドの高級列車は各州内を運行するもので、インドを横断する列車はこれが初めて。「マハラジャの世界」をコンセプトに新造した客車で、「世界でも最高級の部類に入る」という。定番観光地だけでなく日本からの通常の旅行では訪れにくい観光地も訪れることから、松井氏は鉄道の旅が好きな富裕層を第1のターゲットとして、2010年に100名から200名の送客をめざす考えを強調した。

 1編成あたりの定員は86名で、料金はツインベッドまたはダブルベッドの客室を使用する場合、1泊1名800米ドルから。食事やエクスカーションなどを含むオールインクルーシブの料金形態だ。現時点では日本語対応や日本食など日本向けのサービスはないものの、日本人利用者が増加した場合や、貸切の場合には日本語を話すスタッフを乗車できるように交渉したい考え。日本での営業方針としては、富裕層を顧客に持つ旅行会社に商品造成を働きかけるほか、インセンティブなどの利用も見込む。来年1月の運航開始に向け、まずは認知向上から取り組む考えだ。

 コースは、ムンバイ/デリー間とデリー/コルカタ間それぞれの往復で合計4コース設定し、日程は6泊7日と7泊8日の2種類用意。停車する都市は、例えばムンバイ/デリー間ではバドダラ、ウダイプール、ジョドプール、ジャイプール、アグラなど。アグラのタージ・マハルなど有名な観光スポット以外にも、ジョドプールの要塞など見所が多い。一方、デリー/コルカタ間では、ガヤで停車して訪れるナーランダなど仏教関連の史跡も多く、「これまでは組み込もうとしても組みにくかったものがぎっしり詰まっている」ことから、こうした点も前面に打ち出していく方針だ。


※訂正案内 (編集部 6月9日 11時00分)
当初、タイトルおよび本文で「1泊2名」と表記していましたが、実際には「1泊1名」の誤りでした。訂正するとともにお詫びいたします。