新型インフル、修旅キャンセル料を交付金で補填可能に−中小企業への金融支援も具体化

  • 2009年5月28日
 政府は、新型インフルエンザの影響で修学旅行のキャンセルが相次いでいることを受け、キャンセル料を交付金で補填できるようにした。2009年度補正予算案のうち、地方公共団体に対して地域活性化を目的に設定した「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」を活用する。交付金の総額は1兆円で、すでに地方公共団体に対して新型インフルエンザ対策として利用することも可能と通達。もともとの目的である地域活性化につながる要件に合致すると説明できれば、市町村の教育委員会や自治体など地方公共団体が支払ったキャンセル料に充当できるという。交付の時期は未定で、現在は事前相談を受け付けている段階だ。

 また、経済産業省も、新型インフルエンザで影響を受けた中小の観光関連事業者に対する金融支援措置を具体化。ここでは、3点の具体策を掲げており、公的金融機関に対して、各地域での実情を踏まえて(1)元本返済猶予の推進、(2)緊急保証関係、(3)地方公共団体との連携を進めるよう要請した。元本返済猶予では、新型インフルエンザにより予約の大量キャンセルなど、特に大きな影響を受けている旅館・ホテル業、旅行業などの事業者に対して元本返済猶予に前向きに取り組むよう求めた。

 緊急保証では、無担保での8000万円を超える資金ニーズへの弾力的な対応や、緊急保証を受けるために通常必要な、直近3ヶ月平均の売り上げ減少データがない場合でも、影響が推測できる場合には利用可能とした。また、地方公共団体との連携では、地方の実情に応じて支援や対策に最大限協力するよう求めている。


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