インフルエンザ、BOARも要望書−「過敏」反応に業界結束の動き

  • 2009年5月18日
 在日航空会社代表者協議会(BOAR)は、日本旅行業協会(JATA)や観光庁、航空局に新型インフルエンザへの対応についての要望書を提出した。新型インフルエンザに対して過剰な反応の抑制につながるよう対処を求める内容。要望書では、航空会社にとって旅客や従業員の安全が最重要で対策を継続していることを説明しつつ、世界保健機関(WHO)が5月1日付けの声明で、海外渡航の制限は必要ないと発表していることを指摘。その上で、日本でのインフルエンザの報道のあり方や、行政機関の対応に懸念を示し、ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)やビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の遂行のためには、関係者が冷静かつ合理的に行動することが重要であると訴えている。

 BOAR会長でニュージーランド航空(NZ)日本・韓国地区支社長のクリス・マイヤーズ氏と在日外国観光局協議会(ANTOR-JAPAN)会長で香港政府観光局(HKTB)日本・韓国地区局長の加納國雄氏は5月16日、業界紙記者に対して現状と対応状況を説明。両名によると、日本人旅客や訪問者は各国の中で最も落ち込みが激しいといい、他国からの場合、最初の1週間は影響があったものの、その後以前の水準に戻ってきているという。

 今後の対応についてマイヤーズ氏は、BOARとしてだけでなく、他の業界団体と連携した動きを進めることを説明。ANTORだけでなく、JATAともほぼ毎日協議を進めており、今後1週間から2週間のうちに対策を具体化できる見通しという。加盟航空会社や観光局が各国の大使館や商工会議所を通して働きかけることも検討する。また、カンタス航空(QF)日本支社長の荻野雅史氏は、「新型インフルエンザの正しい知識を、業界として消費者に適切に伝えることが責務」と強調した。


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