南ア、見本市「インダバ」開幕−2010年ワールドカップによる需要喚起に期待

  • 2009年5月13日
(ダーバン発 特派: 平山喜代江) 南アフリカ共和国クワズールナタール州のダーバンで5月9日から12日までの4日間、アフリカ最大のトラベルトレードショー「インダバ(INDABA)2009」 が開催されている。宿泊施設、ツアーオペレーター、運輸会社、観光局など旅行関連業者1800社が参加、世界各国から前年を上回る1万2780人の訪問数が見込まれている。日本からはメディアを含め15人が参加した。

 今年のテーマは来年に控えたFIFAワールドカップ。CNNインターナショナルのリチャード・クエスト氏を司会に公開パネルディスカッションをはじめ、ワールドカップ関連を中心に各種イベントが行われた。南アフリカ観光局理事長のジャブ・マブサ氏は「2010年は南アフリカの旅行業にとって最大の機会。サッカーファン、ジャーナリスト、スター選手が南アで過ごした話が広がることが南アを訪れるきっかけになる」と期待を寄せる。

 2008年においてGDPの8.4%を占めるなど、旅行業は南アフリカ経済にとって重要な産業に成長している。マブサ氏は「2008年の旅行業が世界全体で1.3%の伸びという状況下で、南アフリカへの訪問者は5.5%増(959万1828人)だったことは自信になったものの、2010年の訪問者を1000万人にする目標のためには楽観視はできない」と、2006年から13.9%増、2007年8.9%増と堅調だった伸び率が3ポイント以上下がったことへの懸念を示しながらも、「ワールドカップのチケットが1次販売で160万、5月4日に開始した2次販売では2時間で1万1000件のオンラインによる応募があり、世界中がワールドカップを見に来ることは確実」と2010年の訪問者増に手ごたえを感じている様子だ。

 さらに今回、南アフリカ観光局の暫定最高責任者のディディ・モイエ氏から「2010キャンペーン」の内容が発表され、世界中で放映されるTVコマーシャルの内容が明らかにされた。これは南アフリカのサッカー応援スタイル"ディスキ"とそれを元にした踊りを取り入れた映像で、BBCワールド、CNNインターナショナル、Sky、Euroスポーツ、FOXで放映され、全世界6億人が視聴することになる。同時に開設された同キャンペーンの専用ウエブサイトはデザインが刷新された南アフリカ観光局のウエブサイトからアクセスできる。

 INDABAは、今年で30回目を迎えるアフリカ最大のトラベルトレードショー。南アフリカを中心に、タンザニア、モザンビークなどアフリカ大陸のほか、モーリシャス、モルジブ、レユニオンなど近隣の旅行関連業者が一堂に会するアフリカの旅行素材の展示会。例年ダーバンの国際コンベンションセンター(ICC)にて開催。サファリを楽しむゲームロッジや高級ロッジなど、アフリカならではの素材が一堂に会し、直接商談が行える場として定着している。