ニッコウトラベル、09年度は最終損失4.9億円−強み活かして黒字回復へ

  • 2009年5月12日
 ニッコウトラベルの2009年3月期(2008年4月1日〜2009年3月31日)の当期純損益は、4億9100万円の赤字(前年:5300万円の黒字)となった。世界的な景気後退による消費マインドの低下や燃油サーチャージの高騰などの影響を受け、営業収益が減少したほか、リーマン・ブラザーズ・グループ発行の債券を保有していたこともあり、利益が低下した。売上高は17.4%減の48億5400万円、営業利益は40.6%減の6900万円、経常利益は35.4%減の1億5200万円であった。

 旅行販売実績のうち企画旅行は17.9%減の46億4354万5000円となり、手配旅行は0.4%増の1億8995万3000円となったものの、合計は17.3%減の48億3349万9000円となった。仕入実績のうち、航空運賃と地上費の合計は19.9%減の33億7200万8000円であった。取扱人数は25.1%減の6624人。年齢別の顧客構成では、前年と大きな変化はなく、70歳代が全体の53.5%(3544人)、60歳代が30.4%(2014人)、80歳以上が11.2%(741人)などとなった。リピーター比率は2.4ポイント増の74.1%であった。方面別の取扱人数では、アジアが51.7%減の648人と大幅に減少した一方、北米は7.1%増の672人と増加した。その他の方面はすべて前年を下回った。

 2010年3月期は、景気後退や新型インフルエンザの影響により、一段と厳しい状況が続くと分析。特に新型インフルエンザはSARS以上の影響が考えられるとし、上半期の業績は大幅に悪化すると予想する。一方、信頼性やブランド力の維持と向上に努めてきていることを活用し、通年では黒字を回復したい考えだ。具体的な施策としては、セレナーデ号を引き続き活用するほか、顧客満足度の追求、販売基盤の維持と強化、社内の業務フローの効率化などを進める。通年の業績予想では、営業収益が17.2%減の40億2000万円、営業損失が9500万円、経常利益が900万円、純利益は400万円の見通しだ。