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旅のテーマ:世界のパワースポット(4)セドナ(アメリカ、アリゾナ州)

  • 2009年4月23日
ボルテックスとは?

 アリゾナ州北東部に位置する小さな町セドナ。ここは「ボルテックス」の町として、世界的に知られる「パワースポット」である。ボルテックスという言葉を辞書を見ると「渦巻き」とあるが、最近は「地球のエネルギーが放出される場所」という意味で使われている。先日紹介したビッグ・アイランド(ハワイ島)の火山であれば、流れ出す溶岩の姿や温度で誰もが地球のエネルギーを感じることができるだろう。しかしながらセドナのボルテックスは人によって感じ方が違う。

 1970年代後半から、アメリカの人々の一部で行き過ぎた物質文明を精神世界、あるいは超自然的な思想で批判する「ニューエイジ運動」が発生。既存の文明や科学、宗教に背を向け、自然のなかで生きるライフスタイルに関心を持つ人々が増えはじめた。80年代になり、セドナに住んでいた霊能者ペイジ・ブライアントという女性が、この土地が持つ神秘的な力を著書で紹介すると、折からのニューエイジ運動と相まって、セドナは一躍「パワースポット」として知られるようになった。

 ここには4ヶ所の大きなボルテックスがあるとされるが、20ヶ所以上のボルテックスが存在するという人もいる。ほかの地域とは異なる磁力がパワーの源泉であるという人もいる。ただし、いずれも科学的に証明されているわけではない。


自分なりの癒しを探す楽しみ

 セドナは、ナバホ族やホピ族などの先住民にとって、大昔から「聖地」とされていたところ。名前が知られるようになると、多くのアーティストが移り住み、この地で得たインスピレーションでたくさんの作品を生み出している。まず目を引くのは町を取り囲む赤茶けた岩山。ユタ州やアリゾナ州でよく見かける「メーサ」と呼ばれる岩山だ。ただセドナのメーサは他ではあまり見られない特徴がある。それはその麓が緑に覆われていること。乾燥した土地が広がるアメリカ西南部にあって、ここは町を流れる複数の川のおかげで緑が非常に豊富。青い空、赤い山、そして緑のコントラストがとても美しい。訪れる人々は、まずこの美しい自然に驚かされる。

 セドナの過ごし方は人それぞれ。町周辺に整備された総延長320キロメートルのハイキングトレイルを歩くのもいいし、美しい景色を眺めながらただのんびりするのもいい。スピリチュアルな体験をしたい人向けに各種の占いがあり、ヒーリング(癒し)を求めるなら、音楽や香りのセラピー、マッサージなど、豊富なプログラムが揃っている。さらにヨガのクラスも盛ん。もちろんセドナで一番重要なボルテックスを訪れるツアーも多数催行されている。ボルテックスを訪れると、何か強いパワーを感じたり、気分が高揚したり、感極まって涙を流す人もいるという。その一方で何も感じない人がいるのも事実。こればかりは個人差があり、すべての人に“パワースポット”のパワーが伝わるわけではないのだ。とはいえ、セドナにはアメリカのどの町とも違う魅力があるのは間違いない。


▽セドナ商工会議所(日本語)
http://www.visitsedona.com/index.php?action=article&id=77


▽今週の旅のテーマ
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