スペイン、新たな素材で消費者ニーズに対応−観光ミッション団来日

  • 2009年4月20日
 スペイン政府観光局は4月17日、スペイン各地からの観光ミッション団が来日し記者発表会を開催した。同局日本・韓国・台湾地区局長のイグナシオ・ドゥカセ氏は、海外旅行者数の増加に向け、「新たなデスティネーション、新たなプログラム、新たなサプライズが必要」と話すとともに、「スペインはこれらの可能性を満たす国」と新たな商品造成やマーケットシェア拡大に向けて自信を示した。さらに、円高や燃油サーチャージ額値下げの影響などにより、「経済状況が低迷する中で、日本の長距離方面への旅行動向に光が見えてきた」と伝え、旅行会社各社の4月から6月までの夏場商品でスペインツアーの取扱人員が前年に比べて約20%程度の伸びを示していることを紹介。今回の観光ミッションでは旅行会社と直接コミュニケーションを取る場を設けた。また、現代建築や祭り、ファッション、文化、歴史、自然や料理などについても紹介し、幅広いニーズに応えられることを伝えた。

 2008年のスペインへの全世界からの訪問者数は5700万人で、このうち日本人訪問者数は約28万人。スペイン産業観光商務省・観光推進局新興市場ディレクターのヌリア・グスマン氏は、「人数だけで見れば日本は『新興市場』だが、スペインに対して文化的な関心がとても高く大切な市場」と日本市場を重視。ヨーロッパ人に多く見られるビーチやリゾートへの旅行だけでなく、スペインの多様性で訴求できるとの考えだ。今後も各地のプレゼンテーションやイベントなどによりプロモーションを展開していく。

 同局マーケティング・マネージャーの洞澤徹氏は、「露出が増えたことで消費者の目がスペインに向いてきた」と話し、「旅行会社側も消費者のニーズにあわせてこれまでのフラメンコや闘牛といったイメージだけでない新たな商品を提案している」と今後さらなる商品バリエーションの増加や拡大に期待した。