メコン観光促進委、第1回会合を開催−「メコンの発展は必然」

  • 2009年4月10日
 日本旅行業協会(JATA)は4月9日、旧ミャンマー観光促進委員会が前身となり発足したメコン地域観光促進委員会の第1回会合を開催した。タイやベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーのメコン地域への日本人訪問者数を拡大することで、JATAのVWC2000万人推進室の活動に寄与するねらい。さらに、将来的には日本を含めメコン各国に部会を設置し、6カ国の部会で構成するメコン観光協議会を構築していく目標を掲げている。

 第1回会合は、委員会会長にジェイティービー(JTB)グローバル戦略推進部グローバル戦略推進部長の山崎道徳氏を選出。山崎氏は、メコン地域がBRICsの3国に囲まれていることや、BRICsに続くとされるVISTAにベトナムが入っていることを挙げ、「発展するのは必然的。日本人訪問者数を増やしてメコン地域の発展を促したい」と挨拶した。また、中長期的な展望として、「海外出国者数2000万人達成の目標に寄与することを目的とし、メコン地域の啓蒙活動をおこなっていく」との考えを示した。

 観光促進の基本計画は、ベトナムとカンボジアを中心としたプロモーションの展開、デモや空港閉鎖などの影響を受けたタイの旅行需要の回復、ミャンマーおよびラオスの「安心、安全」と「イメージ変革」を中心とした中長期的な取り組み、タイを除く4ヶ国の観光インフラ整備の4点。このほか、中長期的な活動として、メコン河クルーズやメコン地域内陸路(アジア・ハイウェイ)、エコツアー、地方発着チャーター便展開などのプロモーションをおこない、旅行業界内への認知向上や実質的な取り組みの推進をはかる。エーペックスインターナショナル代表取締役会長の松岡修氏は、「メコンには沢山の可能性がある」と話し、新たな観光素材を利用した商品造成に向けて期待を示した。


▽ベトナムへの修学旅行需要の拡大に協力

 メコン地域観光促進委員会では、日越観光協力委員会を通じて協議、採択されたアクションプランの実行に向けた取り組みを展開する。ベトナムへの修学旅行を拡大するべく修学旅行営業担当者や手配担当者を対象としたFAMツアー実施に協力。9月の実施をめどにVWC2000万人推進室のベトナムワーキンググループと連携をはかる。また、ベトナム修学旅行のセミナーの開催やマニュアル作成なども視野に入れている。このほか、日本のメディアを活用した広告展開や観光プロモーション強化に向けたノウハウの提供などもおこなっていく。

 また同委員会では、2月27日にバンコクで開催された日タイEPA観光分野委員会についての報告もおこなった。日本とタイが共同マーケティングおよび、プロモーションに取り組むことや日本でVWC、タイ国政府観光庁(TAT)、タイ国際航空(TG)が一体となってプロモーションを展開することなどが採択されたという。このほか、日本からの教育旅行拡大に向けて学校関係者や教育旅行担当者を対象とする現地視察旅行の実施についても話された。