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フランス・イタリア・スペインが共同プロモ−長距離新興市場の取込みめざす

  • 2009年4月3日
 (パリ発 本紙:高橋絵美) 3月31日と4月2日にパリで開催されたフランス最大のトラベル・マート「ランデブー・フランス」の会場で、フランス、イタリア、スペインの3ヶ国が共同で観光プロモーションを実施することが発表された。共同でプロモーションすることで、各国経済の早期回復とデスティネーションとしての競争力の強化をねらう。ターゲットは中国、ブラジル、インド、ロシア、メキシコ、そしてアルゼンチンの長距離観光振興市場。これらの市場向けに、ショッピングをメインとする「urban tourism (都市観光)」、「遺産と文化」、そして「ワイン&ガストロノミー」の3つのテーマでプロモーションを展開する。また、今回のプロモーション用に3ヶ国の国名が記載されたロゴも作成、ブローシャーなどに使用する予定だ。

 プロモーション発表にはフランスの観光大臣のほか、イタリアとスペインの観光大臣も参加。トラベル・マートに参加しているターゲット市場のバイヤー約100名を集めてセミナーを開催した。各大臣は、これらのテーマに沿った3ヶ国のツアー造成を求め、造成の際には最大限の協力をすることを約束した。

 今回のプロモーションには100万ユーロを投資、ターゲット国でのワークショップやセミナーの開催、FAMツアーの実施のほか各種キャンペーンなどを予定している。いずれも同キャンペーンやその主旨にもとづく商品の認知向上をはかることを目的に、順次実施していく。


▽日本でも共同展開の可能性−09年はベルギー・ワロン地方とルクセンブルグ

 フランス観光大臣のエルベ・ノベリ氏は「今回は新興市場が対象だが、これが成功すれば日本のような成熟市場への取り組みや、共同プロモーションも検討していきたい」と語り、今後成熟した各市場に向けても同様のプロモーションを展開する可能性を示した。

 2009年、日本市場ではベルギーのワロン地方とルクセンブルグの2ヶ国と共同で、観光プロモーションが予定されている。これら3ヶ国が協力することで、新たな商品を提案し、旅行需要のさらなる活性化をはかるねらいだ。フランスは近隣のロレーヌやシャンパーニュ地方をメインに組み込み商品造成を促す方針。今年中にプレスツアーやFAMツアーを実施するほか、インターネット上でのキャンペーンなども行う予定だ。フランス政府観光局日本局長のカトリーヌ・オーデン氏は、「他国とのプロモーションは、フランスの地方をプロモーションするのにとても有効的。今後も諸条件などがそろえば、色々な国との可能性を探っていきたい」と、日本市場に合う他国との共同プロモーションに意欲的な姿勢を示した。