不況も「旅」の意欲は根強い−VISA調査、人気方面はオーストラリア

  • 2009年4月3日
 ビザ・ワールドワイドはこのほど、太平洋アジア観光協会(PATA)と共同でアジア太平洋地域の観光にとって重要な市場である11の国と地域の約5600人を対象に、旅行に関する意識調査を実施した。対象地域はオーストラリア、日本、韓国、中国、香港、台湾、インド、シンガポール、アメリカ、フランス、イギリス。調査で、現在の景気後退が旅行の計画に与える影響を聞いたところ、「旅行を控える」と答えた人が全体の23%いたものの、計画を変更しない人が36%となり、残りは予算や行き先を変更してでも旅行に行くと答え、旅行意欲の根強さが垣間見える結果となった。

 日本の旅行者が過去3年間で訪れたアジア太平洋の国・地域は、韓国が38%、香港27%、中国25%と近場の傾向が顕著に表れた。一方、今後2年間で最も訪れたいアジア太平洋の国・地域ではオーストラリアが26%となり、2位の台湾の8%や3位の韓国の7%を圧倒した。オーストラリアはすべての年齢層で行きたい国の第1位になったという。ビザによると、日本人が旅行先を決定する5大要素は、大自然の景色、政治的安定、歴史・建築、食事、アクセスのしやすさ。政治的安定は、調査全体では10位以下で、日本市場の特徴となっている。

 なお、インバウンド面で日本は、今後2年間でアジア太平洋地域のうち最も訪れたい旅行先として、オーストラリアの17%に次ぐ第2位(13%)となった。特に、台湾や香港では一番人気が高く、台湾は35%、中国は23%であった。日本を選んだ回答者の傾向としては、男性が47%、女性が53%で、18歳から24歳が16%、25歳から34歳が39%、35歳から44歳が25%、45歳以上が20%となった。台湾では、45歳以上を除くすべての年齢層で日本の人気が一番高かった。