アジア太平洋地域の航空運賃が下落傾向、日本発は上昇−アメックス調査

  • 2009年3月25日
 アメリカン・エキスプレス・インターナショナルはこのほど、2008年第4四半期(08年10月〜12月)のアジア太平洋地域の航空運賃が景気後退を受け、運賃額はこれまでの上昇基調から横ばい、または下落傾向に転じたことを発表した。航空各社が旅客確保に向けて価格の見直した結果で、特にビジネスクラスの正規割引運賃の減少幅は大きく、08年第3四半期(前期)と比べると6%減少。アメックスでは企業の業務渡航費用の削減を考慮した航空会社の戦略がうかがえるとしており、ビジネス・トラベル・マネジメント(BTM)専門会社への需要が高まっていることも示唆。同社のアジア太平洋地域の業務渡航部門にも問い合わせが増加しているという。

 航空運賃の国別の実績を見ると、オーストラリアは前期比3%減、中国、香港は2%増、シンガポールが2%減と停滞しているなか、日本では正規運賃が前期比平均3%上昇。特に日本発米国行きは8%増と大きく伸びている。また、ビジネスクラスの正規運賃も前年比23%増、前期比で2%増となっている。日本旅行・アメリカン・エキスプレスでは日本の動向について、経営コストを補うために運賃を極端に下げることがなかったこと、LCCや他の航空会社との競合が穏やかであったことが、他国と比べて下落傾向が少なかった理由と分析している。