観光活性化フォーラム
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KNTツーリスト、神田外語学院と提携、実店舗で「人財」育成

  • 2009年3月17日
 KNTツーリスト(KNTT)は3月16日、学校法人佐野学園の神田外語グループと業務提携した。提携の内容は「カウンターセールス実習制度」だ。佐野学園が所有する施設内に「KNTツーリスト神田西口外語学院前営業所」を4月1日付で開設、同店舗で神田外語学院の国際観光科に通う学生にカウンターセールスの実習を実施する。産学協同の事業として、旅行業界の将来を担う「人財」の育成をめざす。また、KNTTとしては単に人材育成の場だけでなく、「(利益を生む)リアルの商売をする」(KNTT取締役社長の伊藤淑雄氏)方針だ。

 店舗では、KNTTからカウンター販売を担当する社員3名と学生の教育担当の専任社員1名が常駐。学生は、2名から4名が2週間ずつ実際のカウンター業務を体験する。会見に出席した神田外語学院学院長の水野五行氏は、「通常のインターンシップとは異なり、KNTT社員の仕事に対する厳しさも肌で感じられる」と語り、授業で習う基礎知識を応用力や実践力に結びつけるねらいを説明した。また、旅行業界にとって即戦力となる人材の育成のほか、学生にとっても「旅行会社の業務と自分の適合性を確認できる場になる」(伊藤氏)と見込む。

 KNTT側にとっては、店舗開設のメリット以外に人材育成のノウハウの蓄積にも役立つと期待。また、KNTTの採用に直結する制度は提携内容に含まないものの、「実務を経験した学生のプライオリティが高くなることは間違いない」(伊藤氏)という。

 なお、営業方針としては、2009年は体制を整え、2010年から日商100万円をめざす。また、学生が接客することで、他店舗よりもサービスが低下する可能性があるが、消費者に何らかのメリット付けも検討する考えだ。また伊藤氏は、神田駅西口前の商店街に位置することから、「地元に密着した営業展開も考えられる」と語った。