Marriott Bonvoy

マレーシア政観、世界遺産キャンペーンで市場拡大へ、15社が関連商品造成

  • 2009年3月5日
 マレーシア政府観光局は3月4日、「マレーシア世界遺産キャンペーン」の立ち上げに際し、その概要の発表会を実施した。このキャンペーンは、昨年7月に新たにユネスコ世界文化遺産に登録された「マラッカ海峡の歴史都市群(マラッカおよびジョージタウン)」と2000年12月に世界自然遺産に登録されたキナバル公園、グヌン・ムル国立公園に焦点を当てるもの。旅行会社15社の協賛のもと、女性、シニア、学生などをターゲットしてその魅力を訴求していく。

 冒頭、挨拶に立った同局北東/東南アジア地域統括本部長のダト・ラザリ氏は「今回、自然遺産に加えて、新たに文化遺産が加わったことで、マレーシアの歴史的文化的側面をアピールできることになった。日本市場でも大きなアピールになるはず」と述べ、世界的な不況のなかでもマレーシアが訪問地として選ばれるようにプロモーションを強化していく考えを示した。

 2008年のマレーシアへの日本人渡航者数は前年比17.9%増のおよそ43万3000人。日本の海外旅行市場が低迷する中でも渡航者数を伸ばすことに成功した。ラザリ氏は「日本のアウトバウンド市場でのシェアを高め、日本旅行業協会(JATA)が進めているビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)にも貢献してきたい」と述べ、今後も日本の旅行業界およびメディアと緊密な協力関係を継続していくことを強調した。


▽旅行会社15社と協賛で商品造成

 新たに世界遺産に登録された「マラッカ海峡の歴史的都市群」は、マラッカ海峡に面したマラッカとペナン島のジョージタウンが含まれる。同局東京支局マーケティング・マネージャーの徳永誠氏は「これまでタイ、ベトナム、バリなどと比べると文化的な側面をなかなか打ち出せなかった。しかし、今回の世界文化遺産登録で新たなマレーシアの魅力をアピールできるようになる」と、このキャンペーンに大きな期待を寄せる。特に、旅慣れた女性、アクティブシニア、修学旅行も含めた学生旅行を特にターゲットに、英語が通じやすいこと、親日的でフレンドリーな人々、多様な文化の集合体、「Value for money」なデスティネーションであることなどを訴求していく。

 これをふまえ、旅行会社に向けて、新しいイメージでの販促が可能になり、シティや自然など他の観光素材との組み合わせも造りやすくなるとアピール。さらに、アクセスも多様で、リピーターの掘り起こしや集中的なプロモーションも可能になると付け加えた。

 今回のキャンペーンにあわせて、2009年度上期で15社が世界遺産にスポットをあてたパッケージ商品を造成。上期は成田出発限定だが、今後は全国展開していく計画だ。ツアー参加者には、新たに観光局が作成した「マレーシア世界遺産ガイド」をプレゼントする。

 なお、キャンペーン協賛15社は以下の通り。JTBワールドバケーションズ、近畿日本ツーリスト(KNT)、ジャルパック、日本旅行、エイチ・アイ・エス(HIS)、グッドラックツアー、西武トラベル、小田急トラベル、東武トラベル、クロノス・インターナショナル、エス・ティー・ワールド、プレイガイドツアー、オーバーシーズトラベル、エヌオーイー、名鉄観光サービス。