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日旅、08年度は最終赤字、株式上場を延期−09年度は経常利益13.9億円へ

  • 2009年2月26日
 日本旅行の2008年12月期(2008年1月1日〜12月31日)の連結業績は、2期連続の最終赤字となった。営業収入は前年比6.9%減の591億1300万円で、営業損益は前年の12億9300万円の黒字から11億3600万円の赤字、経常利益は95.9%減の9500万円、純損益は7億100万円の赤字から3億8300万円の赤字となった。前年の赤字は、未使用旅行券について約27億円の特別損失を計上したため。2009年12月期の連結業績予想は、営業収益が610億円、経常利益が13億9000万円、当期純利益が5億3000万円とした。

 かねて目指している株式上場は、景気後退など経営環境が悪化する中、「09年度は計画達成に生き残りをかけて取り組むことが最優先」であることから、「確固とした経営基盤を確立し、上場企業に相応しい企業体力を見通しうる」段階で実施する予定という。内部統制など上場に向けた準備は継続する。

 日本旅行は2008年、中期経営計画の初年度として、「選択と集中」を全ての取り組みの基本に設定し、成長分野への経営資源の集約と基幹分野の安定成長を推進。成長分野では、インターネット販売やBTM営業、インバウンド営業、富裕層など特定マーケット営業を強化した。基幹分野でも、セールスや店頭販売、提携販売について首都圏を中心にセールス要因の集中投入や中部地区などでの店舗ネットワークなどの再編成など「選択と集中」を推進。海外企画商品では、新たに稼動した海外システムを活用し、素材選択型の「Myレシピ」を投入した。


▽収益拡大に「三本柱」、海外旅行事業の建て直しなど取り組み

 対処すべき課題としては、環境の悪化の中で2009年を「これまでの取り組みを振り返り、『再出発』のための集中選択を行う年度」と位置づけ、「選択と集中」を加速。需要動向に応じて機動的に要員配置を実施するなど、弾力的な業務運営に取り組む。また、収益の拡大に向けては、「海外旅行事業の建て直し」「国内旅行事業の強化(赤い風船販売高1000億円をめざして)」「法人営業の強化(団体旅行販売高1000億円の復活)」を「再出発のための三本柱」に掲げる。

 成長分野では、特にBTM営業やインバウンド営業で要員の拡充など経営資源を集中。基幹分野では、首都圏を中心に要因を集中投入するほか、広域的営業の専任チームを設置して法人営業の強化をはかる。また、海外旅行事業の建て直しと国内旅行事業の強化のため、店頭販売と提携販売を強化する。継続的な利益拡大に向けては、人材の確保と育成、社員の能力の最大限の発揮に取り組むほか、コンプライアンスの徹底や顧客満足度の推進、コスト構造改革などを進める。


※訂正案内(編集部 2月26日 9時10分) 

訂正箇所:タイトル
誤:経常利益5.3億円
 ↓
正:経常利益13.9億円

訂正箇所:第1段落2文目
誤:営業損益は前年の6億5700万円の黒字から
 ↓
正:営業損益は前年の12億9300万円の黒字から