需要の創出と付加価値の追求が必要−JATA経営フォーラム

  • 2009年2月25日
 2月24日のJATA経営フォーラムで「エージェントの存在価値を探る〜旅行業の役割とは?〜」と題した分科会が開催され、需要の創出と付加価値を提案することの必要性が議論された。モデレーターを務めたジェイティービー(JTB)常務取締役の志賀典人氏は、「経済危機を通じて自分たちの利益を意識するのではなく、消費者の意識や価値観が変化することに着目しなければならいのではないか」と述べた。

 コメンテーターとして登壇した広告会社マッキャンエリクソン代表取締役の中澤純一氏は、「提案するアイデアに対してコミッションをもらう。需要はつくりださなければいけない」と強調。欧米の広告会社は、クライアントとその先の消費者に向けたアイデアや企画を提案するコンサルティング力を強みにビジネスを展開していることを紹介。ゼロコミッション化が進みフィービジネスへと移行する日本の旅行業界においてアピールした。

 また、旅行会社や宿泊施設向けに予約通知データの送受信サービスを展開するシーナッツ代表取締役社長の成田聖氏は、「消費者に選ばれるために心理価値の追求が必要」と強調し、旅行商品を単なるモノとして販売するのではなく、「どのように付加価値をつければ売れるのかを追求していく」ことが販売につながる商品造成の一助となるのではないかとの考えを示した。