サンティアゴ・デ・コンポステーラ、熊野古道と共同キャンペーン展開

  • 2009年2月6日
 スペインガリシア州のサンティアゴ・デ・コンポステーラ市観光局と、和歌山県の田辺市熊野ツーリズムビューローが共同プロモーションを展開する。サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道と熊野古道の観光促進を進める両団体は、「巡礼道」をキーワードとして2008年末に共同観光プロモーションの協定を締結。世界遺産に指定された巡礼道は世界に2ヶ所のみであることから、双方の特性をあわせて紹介することで認知向上に努めるとともに訪問者数の増加をめざす。

 2月4日に開催したプレゼンテーションで田辺市熊野ツーリズムビューロー会長の多田稔子氏は、「和歌山県とガリシア州が姉妹提携を結んで10年目の年に協定を締結できて嬉しい」とし、「行政レベルでなく共同プロモーションを展開するのは珍しく、今までなかった道を行き交うことで太い道にしていきたい」と意気込みを語った。また、サンティアゴ・デ・コンポステーラ市観光局観光・宣伝広報部部長のフラビア・ラミル氏は、「共同プロモーションが双方にとって世界中からの集客に役立つだろう」と述べた。

 すでに、双方の巡礼道をあわせて紹介するパンフレットやホームページ、DVDを制作。パンフレットはスペイン語や英語のほかドイツ語などにも対応し、ウェブサイトもスペイン語、英語に加えて2月4日から日本語版もオープンした。サンティアゴ・デ・コンポステーラ市観光局は今後約20ヶ国でのプレゼンテーションを予定しており、これらのツールを活用して双方の需要喚起につなげる考えだ。

 なお、2008年のサンティアゴ・デ・コンポステーラ市への全世界からの訪問者数は約200万人で、このうち日本人訪問者数は約1万人。日本市場では約80%がパッケージツアーであったが、ラミル氏によると、「最近はFITが約30%から40%程度に増えてきている」と言う。旅行者がインターネットでの予約に慣れてきていると分析する。