アシアナ航空、茨城空港への就航決める−茨城/仁川線をデイリーで運航

  • 2009年2月3日
 アシアナ航空(OZ)は2月2日、2010年3月開港予定の茨城空港への就航を表明した。茨城/仁川線を毎日1便の週7便で運航する計画。OZにとって茨城空港は日本で17番目の定期便就航地となり、茨城/仁川線は22番目の定期便路線となる。さらに、時期は未定なものの、茨城/釜山線の定期便運航も週3便程度で計画している。茨城/仁川線には141席のエアバスA320‐200型機、または177席のエアバスA321‐200型機を使用する。

 OZは、茨城空港利用者にとって韓国二大都市へ渡航しやすくなるとともに、仁川経由のフライトで世界各都市に訪問しやすくなる利便性をアピールする。一方、韓国人訪問者にとっても茨城県をはじめとする北関東方面への訪問が便利になるとして相互交流の活性化に期待する。OZは首都圏の需要の取り込みをねらい、今後プロモーションの戦略を検討する方針。


▽茨城空港、「ローコスト体制」に評価−2010年首都圏空港拡張に向けて他空港と差別化

 茨城空港では、OZ就航に向けて07年夏頃から働きかけてきていた。茨城県企画部空港対策課長の薮中克一氏は、「OZが茨城空港を地方空港ではなく首都圏空港として捉えて、羽田、成田、茨城という首都圏のネットワーク強化につながると判断したと聞いている」と話す。また、茨城県には韓国人向けの観光素材となるゴルフ場やショッピングセンターがあるため、「地域としてのポテンシャルもあった」との見解を示す。さらに、「空港のターミナル設計をシンプルにしたことでコスト削減につながることをOZが評価した」と説明する。

 茨城空港は成田と羽田の2空港の再拡張と同じ年の2010年3月に開港することから、路線獲得のハードルが高くなっているとの見方があった。薮中氏は、「状況は厳しい」と認めたうえで、「他空港と差別化をはかる」ことが戦略と説明。具体的には、クアラルンプールのLCCターミナルやシンガポールのチャンギ空港バジェット・ターミナル、ゴールドコースト空港を参考に、航空会社のコスト削減につながる工夫をしている。例えば搭乗客の乗降を1階のみにしてボーディングブリッジを使用しないようにしているが、この結果カウンターが1ヶ所で済むため人件費を抑えられることが可能だ。具体的なコスト削減効果については、ハンドリング会社が決定していないことから算出できていないが、他の航空会社からもメリットとして捉えられると期待する。

 成田と羽田の発着枠では現在の首都圏への就航需要を満たせないとの試算もあり、茨城空港は今後も路線の獲得をめざしていく方針だ。ターゲットは日本未就航の航空会社や、羽田および成田の発着枠が足りないと考える航空会社。例えば、エア・アジアX(D7)からは引き続き好意的な印象を得られているといい、このほかにもマカオ航空(NX)などアジア圏の航空会社を中心に働きかける予定だ。


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