ケアンズ、円高活用し「オーストラリアブーム」を−JQなど航空会社と連携

  • 2008年12月3日
 トロピカル・ノース・クィーンズランド観光局(TTNQ)ディレクター・日本&エマージングマーケットの新堀治彦氏は12月2日に業界向けセミナーにおいて、「オーストラリアのナンバーワンデスティネーションとしてがんばっていきたい」と積極展開を誓った。新堀氏は「航空座席数の減少や景気後退など環境は大変厳しいが、ケアンズ地域として様々な戦略を考えてアクションを起こしている」と現状をのべつつ、円高傾向から「韓国がブームだが、次はオーストラリアブームを起こしたい」と意欲を見せた。クイーンズランド州観光公社日本代表の西澤利明氏も、「来年はケアンズにとって最も苦しい年になると思われるが、まだ可能性は持っており、厳しいときこそ力を合わせて難局を乗り切りたい」と強く語った。

 2008年の日本人訪問者数は、前年比約11%減の18万人の予測。カンタス航空(QF)グループの路線再編で、2008年12月18日以降の航空座席数は週間約5300席から、ジェットスター航空(JQ)の運航する約2100席に減少することから、2009年の日本人訪問者数は「2008年の数値の維持も困難かもしれない」(新堀氏)という。こうした中でTTNQとしては、JQの座席活用に加えて、ニューギニア航空(PX)のポートモレスビー経由や、コンチネンタル航空(CO)のグアム経由の利用も促進していく。

 今後の方針は、「海と山の2つの世界遺産(グレートバリアリーフとレインフォレスト)のゲートウェイ」としてのプロモーションを継続する。ダイビングやゴルフ、ラフティング、熱気球など「ソフトアドベンチャーの天国」や、空港や市内のインフラの整備状況をアピールするほか、ケアンズ市外のパームコーブでのスパ体験や、高級リゾート地のポートダグラス、グレートバリアリーフ内のグリーン島やダンク島などのリゾートアイランド、高原地帯「テーブルランド」のツアーなども打ち出す。また、2007年に開始したブランドイメージ「あなたの居場所をかえよう。」も継続展開する。なお、教育旅行が増加傾向にあり、「11月にジェイティービーによる日本航空(JL)チャーター便で、福岡から8便、合計2500名の学生が訪れた」といい、今後も取り込みをねらう。


▽JQ、成田就航に向けプロモーション積極化−新CMはゴールデンタイムで4日から

 セミナーでは、JQ東京支店長の中田茂氏もプレゼンテーションを実施し、JQについての説明と、特に12月18日の成田就航に向けたプロモーション展開を紹介。12月4日からはタレントのベッキーさんを起用したCMの新バージョンをテレビのゴールデンタイムに放映する予定であるほか、JQ利用の旅行商品を新聞広告で展開中だ。また、12月1日から7日には、越谷市のイオンレイクタウンでJTB首都圏の「JTBトラベルデザイナー」と協力して体感フェアを開催し、13日から17日にはクラブツーリズムカフェでも同様のイベントを実施する。さらに、FIT客向けには、エイビスレンタカーと共同で、フライ&ドライブのキャンペーンも展開する予定だ。