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シンガポール政観、09年は円高訴求とFIT拡大−「感謝の夕べ」で連携強調

  • 2008年11月25日
 シンガポール政府観光局(STB)とシンガポール航空(SQ)は11月20日、旅行業界関係者を招いて「感謝の夕べ」を開催した。STB北アジア局長のポール・タン氏は、「円高を追い風にしたい。まだ消費者の反応は鈍いが、これから増加につなげたい」と語り、旅行会社が円高還元特集などの取り組みを進めている効果が、少し時間を置いて出てくるとの見方を示した。また、これに加えて「韓国などFITが多い国ではすでに旅行者が増加しているのに対して、シンガポールはFITが少ない」ことが消費者の反応が鈍い理由と分析し、2009年以降「少しずつではあるが、FITの市場を拡大していきたい」と方針を語った。FITに対するアプローチは、「治安の良さや魅力について伝えていきたい」という。

 レセプションに先立って実施したプレゼンテーションでは、マリーナ・ベイとリゾート・ワールド・アット・セントーサの開発計画の進捗状況について説明したほか、クリスマスや大晦日のカウントダウン、1月3日から2月15日に開催される旧正月のイベントなどを紹介。リゾート・ワールド・アット・セントーサは、2010年第1四半期の開業予定で、2015年までに800万人の来場者を見込んでいるという。このほか、オーチャードロードでは、3ヶ所のショッピングセンターの建設が進んでおり、このうち1ヶ所は年内、2ヶ所は2009年に開業を予定している。また、2008年5月に完成した、3つの丘をつなぐ遊歩道「サザンリッジズ」は総延長が9キロメートルで、眼下に熱帯雨林が広がり、ウォーキング好きのシニア層にも適していると提案した。

 なお、2008年1月から10月のシンガポールへの日本人訪問者数は、前年比3%減の47万2530人で、市場全体の下げ幅と比較すると堅調に推移。レセプションの会場では、タン氏やSQ日本支社長のフィリップ・ゴー氏、STBスタッフ、SQスタッフが業界関係者と親睦を深めており、タン氏は「業界との連携をさらに強化したい」と強調し、堅調さの維持と市場拡大に意欲を見せた。


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